3話 ページ25
｢雅紀君がみんなに、仲を深めるのは私が家を出てからにしようって言ってくれたお陰で･･････お陰で私、今も大野の家にいることができてる。毎日楽しいよ。大切なことをいっぱい勉強出来てるの。･････もしみんなの気持ちが家の中にあふれ返っていたら、家を出て行かざるを得ないことになってたかもしれない･･････｣
私のことで大野家のみんなが仲たがいするなんて有り得ないと思うけど、みんなではなく私の方が、気持ちに応えられないことに耐えられなくなって、この家にいることをギブアップしていたかもしれなかった。
｢今落ち着いて、みんなのいいところをたくさん見つけることが出来ているのは雅紀君のお陰だよ？ ･･････ありがとう｣
すると雅紀君は、初めて笑顔を引っ込めて、真顔になった。
｢･････それって、誰のこともまだ本格的に好きになってないってこと？ 誰も選んでいないって･･････こと？｣
私は頷いた。
すると雅紀君は胸を押さえて、思いっきり脱力し、ベンチにもたれた。
｢良かったーー！ ･･････安心した｣
｢そんなにだったら、やっぱり気持ちを言ってくれたら良かったのに･････｣
･･････でも、だからこそ雅紀君は黙ってたんだ。想いが深い分だけ。私を追い詰めないように。
･････私も雅紀君みたいになりたい。
そんな優しい人になりたい。
雅紀君はすっきりとした顔で言った。
｢なんかいろいろばれちゃったね！ ･･････うん、まぁそういうことだから。でも俺のこれまでのスタンスはこれからも何も変わってないから安心して？ 家を出るまでのあと一ヶ月弱、過剰にアピールしないようみんなにも言っておくし、安心しててね。･･････安心して選んでね。もしもそれが俺だったら嬉しいけど｣
｢うん。･････ありがとう｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
