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6話 ページ12

 思わず手を出しかけたら、突然、背後で何かが落ちる音が上がった。


 ボコンって。


 多分、流しのシンクにお盆が落ちた音だ。犯人は・・・・・和也君にちがいない。

 受けとるなっていう警告。



 私は困り果てて嘆息した。どうしよう・・・・・・。




 ・・・・・・もう、正直に言ってしまおうか。

「和也君、プレゼントは誰からも受けとる気がないみたいですよ? 今日一日避けてたみたいだから」

 女の子ははにかんで笑った。

「知ってます。同じクラスなんです」

「えっ、そうなんですか」

「席も隣なの。ちなみに中学も一緒なんです」

「ええっ」

「だから・・・・・・全部わかってるの。和也君、ケチだし奢られるのも大好きだから、こういうプレゼントも喜んで貰うかと思いきや、気持ちのこもったものは受けとらないの。・・・・・それが彼の優しさなんです」

 私は感動した。

 わけもわからず、この子は本物だと思った。



「だったらどうして・・・・・?」

 渡したら、和也君が困ることを分かっていて渡すなんて。

 それともこの子には勝算があるの?

 もしかして和也君も彼女のことが好きだとか?



 その子はにっこり笑って言った。

「私、夏に引っ越すんです。だからもう、守るものは何もないから当たって砕けたくって」


 私はそれを聞いた瞬間、胸が苦しくなって、恥ずかしそうだけど決意に満ちたその笑顔に胸を打たれ、思わず目頭を熱くした。



 こんな青春、本当にあるんだ・・・・・・。







「直接渡した方がいいよ・・・・・」

 私の言葉に女の子はとんでもないと首を横に振った。

「渡せるくらいだったらこんなに長いこと片思いしてません! ・・・・・それに会って渡さないのは、和也君にも逃げ道がいると思うから。多分、私ふられるし・・・・・・」

 そう言って彼女がこぼした涙は宝石のようだった。


 私は思わず後ろを振り返って叫んでしまった。



「和也く〜〜んっ!!」

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ao(プロフ) - えむさん» えむ様いつも応援ありがとうございます!癒やしと萌はいついかなる時でも重要ですよね!あればあるほど嬉しいもの。大野家のみなさんに是非癒されて下さいね。楽しみながら頑張ってまーす。 (12月19日 21時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なおさん» なお様こんばんは。もしやタンポポ色のあのお方のご担当?私もかき乱されているので尚更のことと拝察致します。癒やしと萌をお届け出来るように頑張りますね!ありがとうございます! (12月19日 21時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - aoさん、おはようございます!やっぱりaoさんのお話を読むと暖かくなれます。次回の更新も楽しみに待っています(*´∇`*) (12月18日 10時) (レス) id: bd8350da83 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - なんだか最近は自担に心をかき乱される事が多いのでaoさんのお話で癒される毎日です。いつも楽しみにしています! (12月18日 10時) (レス) id: 19cc532da8 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 萌和*さん» 萌和*様おはようございます。萌えにニヤニヤとだらしない顔をして作っている私に、紡ぐ言葉だなんて綺麗な表現を頂戴できて、凄く凄く嬉しいです。マイペースで頑張らせて貰いますね。ありがとうございます〜。 (12月14日 6時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ao | 作成日時:2019年11月26日 8時

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