5話 ページ11
｢いらっしゃいませ〜｣
制服を着た学生のお客さんだった。
もう閉店数分前だったから、あんまりパンは残っていない。袋詰めしてしまっているものがほとんど。
女の子はビニール入ったメロンパンとクリームパンをお盆に乗せてレジにやって来た。
なんだか落ち着かない様子で、緊張が伝わって来る。
どうしたのかな。
｢ありがとうございます。290円になります。･･････あれ？ わぁ、可愛いがま口のお財布ですね｣
思わず私がはしゃいでしまったら、女の子はフフっと笑ってくれた。
あ、可愛い。
笑顔が素敵。
ちょうどの金額を渡してくれて、打ち込んでレシートをお渡しする。
財布をしまったタイミングでパンの入った紙袋の手提げを手渡ししたら、また女の子に緊張が戻ってきた。
あれ？ どうして？
お見送りしようとカウンターを出て、出口まで行ってドアに手をかけたけど、女の子が立ち止まってしまったから私もドアを開けかけたのをやめた。
困ってる女の子。
｢･････どうかされました？｣
もしかして･･････。
女の子は意を決した顔になると、手提げ鞄から綺麗に包装されたプレゼントを出し、両手で捧げ持って、私に頭を下げて差し出してきた。
｢お願いします！ これ、大野君に渡してくれませんか！ ･････ここの息子さんの大野和也君。今日、お誕生日なんです｣
私は息をのんだ。
やっぱり･･････。
受けとろうと手を出しかけて、躊躇った。
今日ずっと、女の子から逃げ回っている和也君。どうやらプレゼントを受け取りたくないみたい。
なのに、ここで私が受け取ってしまってもいいのかな。
あとで絶対文句言われそう。
でも、目の前で頭を下げ続けている女の子の純情は、私にも身に覚えのあるもので、断りにくい。
｢･････和也君、ここにはあまり来ませんよ？｣
｢お父さんに、･･････店長さんに預けて貰えませんか･･････？｣
うーん、どうしよう！
一途な瞳が痛々しい。
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ao(プロフ) - えむさん» えむ様いつも応援ありがとうございます！癒やしと萌はいついかなる時でも重要ですよね！あればあるほど嬉しいもの。大野家のみなさんに是非癒されて下さいね。楽しみながら頑張ってまーす。 (2019年12月19日 21時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なおさん» なお様こんばんは。もしやタンポポ色のあのお方のご担当？私もかき乱されているので尚更のことと拝察致します。癒やしと萌をお届け出来るように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年12月19日 21時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - aoさん、おはようございます！やっぱりaoさんのお話を読むと暖かくなれます。次回の更新も楽しみに待っています(*´∇｀*) (2019年12月18日 10時) (レス) id: bd8350da83 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - なんだか最近は自担に心をかき乱される事が多いのでaoさんのお話で癒される毎日です。いつも楽しみにしています！ (2019年12月18日 10時) (レス) id: 19cc532da8 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 萌和*さん» 萌和*様おはようございます。萌えにニヤニヤとだらしない顔をして作っている私に、紡ぐ言葉だなんて綺麗な表現を頂戴できて、凄く凄く嬉しいです。マイペースで頑張らせて貰いますね。ありがとうございます〜。 (2019年12月14日 6時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年11月26日 8時
