5話 ページ24
｢えっ｣
髪の長い、目つきの鋭い瑠名ちゃん。美人さんで、迫力があった。
この子が･･････。
清掃活動最後の日、みんなが花火をしている後ろで智君が抱きしめていたあの女の子。
私はにわかにドキドキし始めて、身の置き所をなくした。
早苗ちゃんが決め付けるように言った。
｢あなた、大ちゃんのこと弄んで楽しんでるんでしょ？｣
弄ぶ!?
自分の生活に初めて入ってきたアクティブな単語に動揺した。
生まれて初めて私の索引に出て来た言葉かもしれない。
｢弄んでないはずなんだけど･･････。普通に遊んでるだけだよ？｣
｢遊ぶ？ いやらしい｣
いやらしい!?
それも滅多に出て来ない単語だ。言われたことなんて多分一度もないはず。
｢付き合ってないなら、もっと距離をおいて接してよ。この子の身にもなってよね。今日だって、こっちは大ちゃんに呼ばれて来たんだからね!?｣
私は黙っている智君の元彼女に目を向けた。
｢･･････瑠名ちゃん？｣
瑠名ちゃんの瞳が私を見つめてきた。
智君と一緒で、綺麗な濁りのない瞳だった。
それを見て、智君の元彼女なんだと違和感なく飲み込めた。
｢･･････私は智君が元気ないって聞いて、一緒にいるだけだよ｣
気持ちが静まってくれたらいいと思いながら言った。
でもひっかかるのは、瑠名ちゃんの方が、智君についていけないってフッた側じゃないの？なのにどうして私を疎ましく感じてるの？
人の感情は揺れるから、一たす一は二みたいに、はっきり割り切れるものじゃないのは分かってる。別れて、一つも気持ちがなくなるなんていうのはよっぽどの別れ方をした時だけ。
嫌いで別れたんじゃなさそうだから、まだ気持ちが残ってるのかな･･････。だからそんな目で私を見るの？
それにしても、智君はどうして今日彼女を呼んだんだろう。意図せず？それとも考えがあって？･･････私の方を後に呼んだの？それとも先？
｢瑠名ちゃん。今日私が来ることは知ってた？｣
瑠名ちゃんは小さな声で言った。
｢･･････知ってたよ。他に女の子いるのか聞いたら、いるよって言ってたから｣
風鈴みたいに涼やかな、綺麗な声だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 490人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - peru/旧perutc3010さん» peru様いらっしゃいませ！ やばばいですよ、まったく。意気消沈しまくりです。でも相変わらず二人はラブラブですので今後にご期待くださいませ。ブレイブ堪能しましたよ！ありがとうございました。 (2019年9月14日 8時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
peru/旧perutc3010(プロフ) - やーばばばいです！そんな大事な日に、なんで月一の女の子の日なの〜(汗)Brave、堪能してください！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 52470abde8 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちは。今日いよいよゲットできるので楽しみです！最終回まで、ほぼノンストップでお届けできるかと思うので、お楽しみに。いつもありがとうございます！ (2019年9月13日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー。ツンツン期、最高ですよね？大好物です！たまに昼くらいに更新する時あるので覗いてやって下さい。ちなみに夕方更新はほとんどないです。大人な内容の時は夜に更新しようかと迷うときもありますが（笑）。 (2019年9月13日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なおさん» なおさんこんにちは！思わず私もお話読み返しちゃいましたよ。嬉しい言葉をありがとうございます！ニノかっこいいですもんね！いつかまたニノのお話も書ければいいなぁって思います。ありがとうございました。また頑張ってお話作れそうです！ (2019年9月13日 8時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2019年8月25日 1時
