2話 ページ26
電車に揺られて１時間半、特急電車が山あいを抜けて海沿いを走り始めた。
｢わぁ･･････｣
キラキラと白く輝く大海原の乱反射に思わず目を細めた。
気候の暖かいこちらでは、もう菜の花が咲いているところもあると、来る前にニュースで見て知っていたけれど、それが納得できる程のうららかさだった。
暖かな日差しと、沿線の鮮やかな緑に、生命の息吹を感じて、身体にエネルギーが貯まって行く気がした。
来てよかったって早速思った。
隣の席のおーちゃんは熟睡中だった。
ここへ来るまで毎日多忙だったから･･････仕方ないよね。今のうちにゆっくりして貰いたい。
おーちゃんはこのたび、企業からの依頼で食品のパッケージにイラストを書くことが決まって、その打ち合わせで連日オフィス街に出掛けていた。その疲れが溜まってるみたい。有名企業だったから制約も多くて大変だったそう。
なにが一番大変だったの？って聞いたら、匂いがダメだったって、イラストとは関係のなさそうなことを言っていたけど、いったい何の匂い？
･････独特過ぎてよくわからなかった。
海の見える駅に着いたら、温泉地らしくたくさんの人が駅前のお土産屋さんを覗いていた。
あの人たちはもう帰るところかな？
お土産は何を買ったんだろうって観光客がいっぱいいる方へ首を伸ばしたら、おーちゃんが私のコートのフードを引っ張った。
振り返ったら笑ってた。
｢土産は最後でいいじゃん｣
私は恥ずかしさに首を竦めた。
｢わかってるんだけどね？ 松にぃにちゃんと買って行かないとって思ったら落ち着かないって言うか｣
｢まだ旅館に着いてもないのに？ どうする？ただのラブホだったら、買ってく必要なくない？｣
私はごくっと唾を飲み込んだ。
するとそれを見たおーちゃんが、な？って言って、私がお土産屋さんを覗くのを諦めた様子に満足して前を向いて歩き出してたけど･･･････違うからね？ 私がお土産屋さんを覗かなくなったのは、おーちゃんがラブホだなんて言うからだよ？ 昼間からセクシーな単語を発するから思わず固まっただけだからね。
私は赤くなった頬を手で押さえて隠した。
そんな私の焦りなんて露程も気にした様子もなくのんびり肩にバッグを引っ掛けて歩いてるおーちゃん。
いつもは恥ずかしがりなのに、時々男全開な発言をしてくるんだからドキドキしちゃう。
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ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちは。主人公ちゃんいい子なんで、たまに黒くしよう黒くしようとしてるんですが、なかなか染まってくれません。恋人が素敵だからでしょうか。私も青色さんに綺麗な色にしてもらいたいです！ (2019年2月26日 16時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - もちろん、こちらも拝読致しております！主人公ちゃんの清く芯のある人柄が凄く素敵ですねー！こちらも見習う事が多々ありまーす。感謝の気持ちって、ホント大事ですよね。 (2019年2月25日 18時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - わー、cocoro様コメント嬉しいです。お元気でしたか。何度も読み返したくなるようなお話を頑張って作るので、是非遊びに来てくださいね。一緒に楽しみましょう！萌えてくださーい。 (2019年2月25日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
cocoro(プロフ) - aoさん、お久しぶりです。またこの子達に会えて嬉しいです。私はこれからも、いやもしかしたらこれまで以上にここに糖分補給に立ち寄るであろうと思われます(笑)。また一緒に楽しませてください。 (2019年2月24日 20時) (レス) id: 8d2a7d356c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2019年2月19日 20時
