48 勘違い2 ページ48
急に不安が襲ってきた。
あれ？ちょっと待って。 なんかおかしい。
私はおしぼりで手汗を拭いた。
智が短く言った。
｢俺、彼女いないけど｣
むすっとした言い方に、思わず嘘よって叫んだけど、一度湧いた胸の不安は消えてなくならない。それどころかどんどん大きくなっていく。
｢だって、智言ったじゃない。最初にここで会った時、小百合さん元気？って聞いたら、元気だよって｣
智は驚いた顔をして、一気に脱力した。
｢それかぁ〜！ ･････誰のこと聞かれても、元気？って聞かれたら元気って返すだろ？母ちゃんのこと元気って聞いても元気だよって言うよ？それで付き合ってることになんの？｣
｢で、でも！ どれくらい一緒にいるのって聞いたら、わかんないくらいって言ったもん｣
｢そりゃ幼なじみだから。家隣だし。俺の歳の数と同じくらい一緒でしょ？｣
｢でも、だって･･･････｣
しゅんとした私を見て、智は声を和らげると、覗き込んできて言った。
｢俺、彼女いないよ？｣
｢･･････そうなの？ ･････小百合さんとはいつ？｣
｢･･････大学入ってしばらくして別れた｣
｢うそ･･････｣
｢おばちゃんも元気になってる。家が隣だから実家帰ったら会うし、たまに電話もかかってくるから、元気かどうかくらい分かってる。だから元気だって言ったんだよ｣
信じられない気持ちで智を見つめた。
あの頃と変わらない綺麗な瞳が照れ臭そうに私を見ていた。
じゃあ、あの時のキスは？どういつもりでしたの？
智の唇に目が行った。ツヤツヤの、私より柔らかそうな唇。
｢･･･････俺、ずっと勘違いしてた。Aには彼氏がいるんだって。だから邪魔しちゃいけないって必死んなって自分止めてて。でも、いないんだったら止めなくてもいい？｣
あ、クラクラしちゃう。
智、何を言おうとしてるの。どんな言葉をくれるの？それは、ずっと私が欲しかった言葉？
智は噛み締めるようにして言った。
｢好きだよ。･･････ずっと、心ん中にAがいた。Aの指定席が胸ん中にあって、よくそのAと喋ってた。でも再会したら俺の中のAがいなくなって、でも現実のAが想像の何倍もいい女になって目の前にいると思ったら、欲しくてたまんなくなった｣
｢智･･････｣
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ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
