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「……すごいですね」
 思わず俺は感嘆の息をもらした。
 まさに百発百中。
 たかが拳銃で、スナイパー用の10m以上の的を見事当ててみせたFBは、照れながら「いやいや」と言う。
「今日は割と調子がいいだけですよww」
「…いや、確かにすごいですよ、これは」
「…………ww」
 素直に褒められる事に慣れてないのか、俺が褒めてるから照れ笑いなのか…いまいち見当は付かないが、とりあえず照れている事にかわりはないらしい。
「まぁ、遠距離はまぁーっかせてくださいよ副隊長!」
「…副隊長、ですか」
 俺は右腕につけた腕章をやや忌々しいという眼で見た。
 えおさんは、隊長という器だ。
 あれ程部下や上司に平等な人間も少ないだろうし、何より特攻としてかなりの戦力を持つ。
 本来ならば、あろまさんが副隊長の筈だった。
 俺は、そうしたかった。
 だが彼は医療部隊の仕事も受け持っていて、常に隊として出られる訳ではない。
 今回のように。だからこそ、副隊長を外され、俺が襲名する事になったのだ。
「……お情けみたいなものですよ、これは」
「…副隊長?」
「いや…何でも」
 きょとんとした視線を向けてくるFBから視線を逸し、俺は銃を握り直し、集中する。
 発砲音と共に飛来した弾は5m先の的に命中した。
「おーっ、さーっすが副隊長!」
「…10m以上を平然と当てる人に褒められても嬉しくないです…」
「はははww いやぁだってw あ、24mヒットー♪ いやっふーぃ!」
「……うるさいです」
 的を撃ちながら言えば、FBが豪快に笑う。
 ……そんなまじめに気にしなければ、割と行ける気がしないでもないな、この人。
 腕は立つし。
「ダンディーに連射!」
「何ですか、それ」
「はははwww」
 そう言いながら5発連射したと思えば、5つの的を一気に撃ちぬく。
「……すごい、けど、鬱陶しいです」
「ひwwどwwいww」
「だってつけていればいい感半端ない」
「あはははwww」
 この人は至って楽しそうだな。何事も楽しそうでなによりだわ。
 ……俺と違って、何も困ってなさそう。
「あれ、練習してたんだ、シィナノルトと…FB」
「隊長―! 隊長じゃないですか!」
「テンション高ぇなお前」
 苦笑交じりにえおさんにそう返され、FBは照れ笑いを浮かべた。

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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう(すっとぼけ←) 読んでくださってありがとうございました! (2015年6月28日 19時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです!これはホモォ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・! (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年2月28日 3時

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