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「どうかしました、えおさん」
「ま、演習も近いし。ちょっとは練習しておこうと思って」
「…別に構いませんけど…」
「あ、ホント? 良かった。それにしても、あろまは手当に追われてるし…」
 忙しいね、とえおさんが顎を摘んだ。
 俺はふと思い至って、FBを見た。
「FBさんは接近戦出来ないんですか」
「え、…っとー…出来ないことは、ないですけど…」
 どこか言いにくそうに頭を掻き、顔を逸らして行く。
「…なんです?」
「えと…、その。接近苦手で」
「…そっか、FBは苦手か」
「…隊長は、接近戦が得意なんですか?」
 FBの問いに、俺は呆れ混じりに言葉を返す。
「接近も接近、超接近型ですよ」
「ほへー、すごいですね」
「…そこまでじゃなくない?」
「えおさん程の腕の立つ超接近型はいませんよ」
 FBと俺が同じ様にそう言えば、照れ隠しでだろう、俺の頭をぱすんと叩く。
「…照れてるのは分かってますから、もっと素直にすればいいんじゃないですか?」
「……なんで。……照れてなんてないから」
「そうですか」
「隊長顔赤いっすよww あッごめんなさいごめんなさい猟奇的な眼で見ないでww」
 ダガーまで構えだしたらアウトですよ、と言いながら、俺はえおさんの手を外す。
「え、構えだしちゃうの」
「構えだしちゃいますよ」
「それはww なかなかアグレッシヴぅww」
「なんで無駄に伸ばすんです?」
「あはははww」
 俺とFBが軽く話しているのを、きょとんとしたような顔でえおさんが俺の方を見てくる。
「いやー…あれ」
 電子音が響いたと思えば、きっくんからFBの呼び出しだった。
 慌ててばたばたと訓練室を出て行くFBを見送り、俺がとりあえずと銃をしまっていると、えおさんがつんつんと肩を突いてくる。
「…なんですか?」
「FBと、割と馴染めた?」
「……思ってた程の人じゃなかったので」
「へぇ…」
 そう言って、えおさんの視線が先程まで俺とFBが使っていた的へ向けられた。
「……あの遠距離、FBが?」
「…あぁ、そうですよ。…ハンドガンで撃ち抜きましたよ、あの人」
「視力が良い、事も加味して、完全な遠距離向きってことかな」
「…どうでしょうね」
「シィナノルト?」
 俺はやや怪訝に眉をよせてそう言う。
 あの様子が、なんとなく気になったのだ。
(出来ない訳じゃなく、やりたくないって感じかな、あれは)
 そう思いながら、俺は息を吐いた。

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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう(すっとぼけ←) 読んでくださってありがとうございました! (2015年6月28日 19時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです!これはホモォ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・! (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年2月28日 3時

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