うちの新参兵はかなりおかしい。 １ ページ34
戦場の鎮圧を任せっきりにしてしまった俺とふぶさんは、ふぶさん運転のもと、トラックを走らせていた。
「本陣、見事鎮圧されてますね」
「ほんとにさ…。隊長とあろまに、サポートのきっくん怖すぎるわｗｗ」
「俺が来るまでは、３人で戦場の沈静化とかもしていたらしいですし、本来に戻ったといえばそうなんじゃないですかね」
「あー、そっか、ナノも途中参戦だもんね」
「はい」
ようやく見慣れた緑と赤の髪が見え、俺は２人を呼んだ。
「えおさん、あろまさん」
「おー、シィナノルトか」
「怪我の治療はちゃんとしたかよ」
それぞれに声をかけられ、ふぶさんが車を止める。
助手席から降りて、俺は２人に歩み寄った。
「はい。すみませんでした。２人は大丈夫ですか？」
「へいきだべ、このくらい」
「眠たいくらいかな」
「それはお前いつもだべや」
「あろま、隊長！ 医療用具持ってきたー」
ふぶさんから用具を受け取り、治療を始めたあろまさんが俺の顔を見てふと気づいたらしく。
「…おめぇ、眼赤くねぇか？」
「えっ」
「…あ、本当だ。シィナノルトどうかしたの」
「あ、えっと、砂埃で眼が…」
訝しげな視線を両者から向けられ、俺は困惑する。
ど、どうしよう。完全に疑われてる。だけど、さすがに泣いたなんて言いたくない。
「……ね、ねぇふぶさん！ 砂埃すごかったですもんね！」
「え？ え、あ、あぁ、うん！ 妙にすごかったね！ 嵐みたいに吹き荒れてたもんね！」
それはオーバーな気するけども。逆に怪しがられるいい振りだよそれ。
完全に呆れたような表情のあろまさんに溜息を吐かれ、えおさんには軽く鼻で笑われた。
「ま、いいけどな」
「ほんとよ。とっとと調子整えて駐屯所へ帰るべ」
「は…はい…」
完全に呆れられている。
別にあれこれ言うことでもないと思うし、と言うかこの歳で泣いたとか言いにくいじゃないか。
『シィナノルト―、聞こえるー？』
「あ、きっくん。聞こえてますよ」
『俺ね、いま向かいの建物の屋上にいるんだけど、来れる？』
向かいの建物？
建物の上を見上げれば、確かにヘリときっくんがいる。
「はい、行きます」
俺は端的に事を伝え、走りだした。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう（すっとぼけ←） 読んでくださってありがとうございました！ (2015年6月28日 19時) (
レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです！これはﾎﾓｫ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・！ (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2015年2月28日 3時
