【ＭＳＳＰ軍パロ】赤狼舞踏・光華【男主】

再び、戦場へ ページ39

「そういえば、色々持って帰ってきた事忘れてた」
「え、なになに？」
　俺はがさがさと荷物から適当に出して、とりあえずあろまさんとＰ*suKEに差し出した。
「帰る間際に南国によってもらったんで、あげます」
「あら、ハイビスカスじゃない。綺麗ね」
「よ、よく持って帰ってこれたな…」
　向こうの人が融通きかせてくれたことを言えば、ふぅん、とあろまさんに返された。
「この国でも手に入りにくいから嬉しいわ」
「気候の問題で育ちにくいらしいからな」
「……さんきゅ」
「はい」
　あろまさんとＰ*suKEに軽く返しながら、荷物の下辺りに入っていたものを取り出した。
「ふぶさんには…えっと、北国の紛争地帯の方でバンダナもらったんで。それと保存食のヤツもらったんですけど、これ知ってます？」
「あー！ 知ってる知ってる！ 寒干し大根と凍み豆腐に、あ、しばれいももあるー！」
「はい。もらったんですよ。大根と豆腐はぼりぼり食べてたんですけど、いもはさすがに調理しないと食べれませんからね」
「調理して食べなよ全部ｗ あ、バンダナもありがとね！」
「はい」
　それと、と言いながら荷物をあさってえおさんとＦに渡す。
「ダガー？」
「はい。使い勝手が良かったんで、せっかくならと」
　えおさんには身の厚いパワー重視のダガーで、Ｆには少し薄めのスピード重視。
「うまく使ってもらえればいいですよ」
「…これ、ナノの？」
「使いやすかったんでもう一本ほしいって頼んだんですが、さすがに支給してもらえませんでした」
「ナノもこれ使って戦ってたんだ」
「すみません、お古みたいになっちゃって」
　一応磨いてありますよ、というと、えおさんはやんわり笑った。
「いいよ、全然。ありがとね」
「…おれも、ありがとう…」
「はい」
　２人に返事を返し、ちょうど帰ってきたきっくんに渡す。
「…きっくんのが一番悩んだんですよねー」
「そうなの？ あ、ニュー通信機だ！」
「使いやすいタイプかなと思いまして、個人的に」
　テンションの上がったきっくんが、そうだ、と言って表情を少し引き締めた。
「新興の連合国が動き出すらしい。東国はまだ現状維持が出されてる」
(…紛争地帯を回ってた時も、そうだったな。北国、南国の紛争地帯にも連合国のヤツはいた)
　じゃあ、行かないとな。俺は内心でそう小さくこぼした。

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