その背を ページ34
えおさんが隣に来たら、P*suKEがFをつれて少し遠ざかった。
なんでだ、と思っていれば、えおさんに「ねぇ」と言われ、俺はえおさんの方を見る。
「何ですか?」
「…たぶん、みんなから言われてうんざりしてるとは思うけどさ…」
「…理由ですか?」
やっぱりみんな俺の口から聞きたいのかな。
俺はさっきのあろまさんとの会話をかいつまんで話して、ピッツァに手を伸ばした。
「…じゃあ、やっぱり戦うんだ、ナノは」
「はい。…やっぱり、俺は戦って生きてきたんで、戦う場所が俺の生きる場所だと思うんですよ」
「そ、う…」
「やっぱ、他国の人と話すのは楽しいですし。その場に合わせた戦い方を享受してもらったんですよ。俺のは訓練されたものというより、独自の技なので。きちんと創りあげられたものっていうのはやっぱり無駄が無いです」
ピッツァを食べながら俺がそういうと、えおさんは何処か不機嫌そうに膝を抱え、プリンを無言で食べ進める。
それに苦笑し、「なんで不機嫌なんですか?」と問うた。
「…わかんない?」
「……わからないです」
「俺らね、ずっと心配してた。時々手紙よこす程度だし、その上、2年も帰ってこなかったでしょ? ……俺はさ、ここが嫌になって出てったのかと思ったわけ」
「そんな訳ないですよ」
えおさんの言葉に、俺は慌てて否定した。事実、そうじゃないし。
ただ、戦いの場に行かないと、と思っていただけ。
「…ナノはそう言うけど、実際、俺はそんなふうに思っちゃってさ。話を実際に聞いたふぶは『大丈夫』って言ってくれたけど、不安だった」
目の前でマイクを握って騒ぐふぶさんときっくんに視線を向けながら、えおさんは言う。
「こうやって無事に帰ってきてくれて嬉しいよ。俺らといるのが嫌じゃないって、ここが嫌になって出て行った訳じゃないって分かって、嬉しい」
「…じゃあ、どうして…」
「ナノの背をね、俺が守ってなかった事が、悔しくて」
「……俺の、背を……?」
えおさんの言葉が俺にはわからなくて、首を傾げた。
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長閑(プロフ) - 夏煌さん» 読んできただきありがとうございます!初期愛称の「ナノ」を日本での単位にすると「塵」でして、その名前を呼んでくれるmsspと、愛称としてつけてくれたふぶさんへの敬愛の意味でございます。…そんなに…深い意味は…ない(;´∀`)ハハッ← (2015年2月15日 16時) (レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
夏煌(プロフ) - 全て読ませていただきました!質問なのですが主人公が使っている塵とはどんな意味があるのでしょうか?理解力なくてすいません(>_<) (2015年2月8日 23時) (レス) id: 185900a38c (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 2度目の完結おめです!! 次回作、楽しみにしてます! (2015年1月17日 18時) (レス) id: 426cfae2bb (このIDを非表示/違反報告)
麗琥−りく−(プロフ) - 完結おめでとうございます!!楽しく読ませてもらいました!!次回作も読ませていただきます!! (2015年1月17日 16時) (レス) id: 76a46eac77 (このIDを非表示/違反報告)
翼羽 - 完結おめでとうございます!とても面白くて最後までいっきに読んでしまいました。msspと軍パロは大好きでしたのでニヤニヤしながら読んでました(笑)でも最後はすごく感動させられて涙ボロボロ流してました;;次回作も頑張ってください!応援してます! (2015年1月12日 14時) (レス) id: 1b255c9260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2014年12月29日 22時