報告 ページ30
「それにしても、素直になったね、ナノ」
「そうですか?」
よくわかりません、と返したら、相変わらずだね、とふぶさんが笑う。
ようやく落ち着いたららしいあろまさんに手当てを再開してもらいながら、俺はふむ、と首を傾げた。
「そうだよ。まぁ、そんなふうに言ってくれるなんて嬉しいけどね」
「そう、ですか」
「…それにしても、でかい傷があるな、肩に」
「え? …あぁ、それは…西国と北国の間の紛争行った時ですね。南国の時じゃ怪我しませんでしたけど、その後行った南国と西国の間の所で怪我をして。北国はありませんでした。で、今回かすりました」
ふぅん、とあろまさんが興味なさそうに頷き、俺は苦笑を浮かべた。
ふぶさんがそういえば、と手を打って、俺に話しかけてくる。
「北国じゃ、何処が相手だったの?」
「えっと、要塞<カムイ>と、それ直属の<カグラ>でしたよ」
「…え。それ、よく大丈夫だったね…」
「はい。言われました」
あはは、と俺が至ってけろりとして言うと、ふぶさんはすごいね、と俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。
そういえばふぶさんは北国出身だった。
いまいちわからないという顔で、あろまさんが俺とふぶさんを見る。
「どういうことだ?」
「要塞<カムイ>は、北国が最高防御として誇る軍隊なんですよ。防御力の高さから“要塞”という異名がついた軍です。<カグラ>は攻撃特化の軍で、結構手をやかされました」
「へぇ…、どういう戦況だったんだ?」
「えっと、向こうが200と150に対し、こちらが5人構成の2小隊、プラス俺で動いてました」
「少なくない?!」
「はい。ですから、俺と2小隊は、真正面からぶつかって敵をひきつけている本隊から離れた分隊だったんですよ。外と中から攻め落とす作戦でしたから」
「…すごいね、相変わらず…」
「小隊の人たちも、精鋭が多かったですよ。駐屯所で話が盛り上がって楽しかったです」
小隊内での腕試しの結果、俺が先行隊の隊長を任されるとは思わなかったが。
まぁえおさんやきっくんを見ていたお陰で、うまく周りを動かせた。
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長閑(プロフ) - 夏煌さん» 読んできただきありがとうございます!初期愛称の「ナノ」を日本での単位にすると「塵」でして、その名前を呼んでくれるmsspと、愛称としてつけてくれたふぶさんへの敬愛の意味でございます。…そんなに…深い意味は…ない(;´∀`)ハハッ← (2015年2月15日 16時) (レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
夏煌(プロフ) - 全て読ませていただきました!質問なのですが主人公が使っている塵とはどんな意味があるのでしょうか?理解力なくてすいません(>_<) (2015年2月8日 23時) (レス) id: 185900a38c (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 2度目の完結おめです!! 次回作、楽しみにしてます! (2015年1月17日 18時) (レス) id: 426cfae2bb (このIDを非表示/違反報告)
麗琥−りく−(プロフ) - 完結おめでとうございます!!楽しく読ませてもらいました!!次回作も読ませていただきます!! (2015年1月17日 16時) (レス) id: 76a46eac77 (このIDを非表示/違反報告)
翼羽 - 完結おめでとうございます!とても面白くて最後までいっきに読んでしまいました。msspと軍パロは大好きでしたのでニヤニヤしながら読んでました(笑)でも最後はすごく感動させられて涙ボロボロ流してました;;次回作も頑張ってください!応援してます! (2015年1月12日 14時) (レス) id: 1b255c9260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2014年12月29日 22時