【ＭＳＳＰ軍パロ】赤狼舞踏・光華【男主】

奪還作戦　　ｓｉｄｅ　きっくん ページ13

「あいつら、マジでふざけんな……！」
　あろまが怒っている。
　もちろん俺だって怒っているが、みんな怒っていた。
　あろまと、医療の心得があるＰ*suKEの２人で早急に手当てを進めながら、出撃のために作戦をねっていた。
「それで、Ｐ*suKE。ナノは独房にいるの？ Ｆは？」
「そのはずだけど…、固定しているかどうかはわからないわ。…Ｆは…わからないわね。ただ、現王が出てくるくらいだし、正面突破するのが一番かもしれない」
「正面突破か…。一番ラクだけど、危険な道だよね」
　えおえおが難しい顔をして呟く。
　確かに、西国と全面戦争ともなれば、北国とまで戦うことになる。
「だと、俺らだけで乗り込むのが一番かな」
　ふぶがそう言うけれど、あろまが渋い顔をした。
「潜入は難しいだろ。いる場所がわからねぇんだぞ？ 独房目指そうにも、そっちにいるヤツらを相手にしてたら、強化兵とぶつかって即アウトだろ」
「…それもそうね…。あら」
「Ｐ*suKE？ どうかしたのか」
　Ｐ*suKEがふと気づいた様子で、戦場からの回収物を見て少しだけ表情を明るくした。
「＜ミハイル＞、回収してくれたのね」
「あぁ…、墜落したみたいで、Ｐ*suKEのなんでしょ？」
　言葉を返したふぶに、Ｐ*suKEがそうよ、と頷き返す。
「あれがあれば、少しは楽になれるわ。通信室の機械を借りたいのだけれど、いいかしら？ 『黄』…じゃなくて、きっくん」
「もちろん！ …そうすれば、ナノや…Ｆを助けられるんでしょ？」
「可能性があがるだけよ。確信はないわ」
「それでも、ありがたいよ」
　そっけなく言い返してきたＰ*suKEに、えおえおは言う。
「ナノは大事な仲間で、Ｆだって大事な仲間だ。どうあろうと、ｍｓｓｐに引きずり戻す」
　助けようとした矢先、それをナノに制止された事を怒っているのだろう。
「……あなた達って、本当変な人だわ」
　くすくすと笑ったＰ*suKEに、ふぶが大きな声で笑った。
「ほんとにさ！ みんなこんなボロボロなのにまだやる気だよ！ 俺もだけどね！」
「当たり前だべや！ １人で無茶すんなって言ったにも関わらずばかやったあいつには仕置が必要だべ！」
「…ほんとにね。みんな無事で帰るって約束したし」
「そーそ！ Ｆも連れ戻す！ ナノも連れ戻す！ みんなで東国に帰るよ！」
　盛り上がった俺たちに、Ｐ*suKEも笑っていた。

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