:大遅刻お正月です 『赤狼』 ページ41
「あ」
『あ』
全員が声を出したのは同時だった。
「あけましておめでとうございます」
爽やかに笑った紅髪…Aは、食堂で重箱を出している最中。
帰還の報すら聞いていなかった面々は呆気に取られ、眼を丸くしたままに、一緒に作業を進めていたP*suKEに話を振った。
「お、おいP*suKE…」
「何、兄さん? つったってないで手伝ってほしいわね」
「おぉ…」
「おぉ、じゃないでしょあろま! なんでA…」
「深夜に帰還したんです。P*suKEは遅くまでしてたのもあって廊下でばったり。年越しはいられなかったので、せめて年始は俺も何かしたいなって」
ふにゃりと笑ったA。厨房に置きっぱなしのきっくんの黒サロンエプロン、おそらく私服が間に合わなかったのであろう、何故かあろまシャツとズボン。しかも両方ダークグレイ。靴は置いて行ったスーツ用。長くなった紅髪は首元でゆるくまとめられ、左肩側から流す様に降ろされていた。
(やべぇ、超似合ってる…)
全員が直感した瞬間であった。FBは小さく手を合わせる。
「年始早々いいもの見…じゃなかった! 戦場出て疲れてるんだから、ちゃんと休まなきゃ…!」
「大丈夫ですよ。4時間は寝ました」
「ちゃんと寝なさいっ」
「大丈夫ですよ。動きやすい服に靴、最低4時間の睡眠。十分動けます」
そう言いながら着々と準備を進めていくAに呆気にとられるも、いつの間にか後ろに回っていたP*suKEに全員足を蹴られた。
「さっさと動くか座るかして。邪魔よ」
お雑煮の入った椀を両手に持ったまま、痛撃に呻き座り込んだ男勢を見下ろすP*suKE。
目の前にいたFBとえおえおに雑煮の椀を突き出し受け取らせるとさっさと踵を返して行った。
「疲れてるのに早起きさせちゃったんで、機嫌悪いんですよ。すみません」
「P*suKEも?」
「はい。俺は起こす気なかったんで1人で始めたんですけど、来てくれたんです。…P*suKEらしいですよね。…あ、そういえば雑煮、俺の味付けなんで口にあうかちょっと分かんないです…」
作業を進めながら話をするAの表情は柔らかかった。
新たな椀を持ってきたP*suKEはさらに手の開いていたきっくんとあろまに渡す。
「ほら、さっさとどいて」
P*suKEに退けられ、とりあえず面々は席に座…ろうとして、F91はP*suKEに拉致された。
どうやら手伝いをさせられるらしい。
「はは、Fご愁傷様」
「なんで俺が…」
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長閑(プロフ) - 芋木姉さん» いつもありがとうございます。どうか気長にお付き合い下さい。読んでくださってありがとうございました! (2015年11月7日 19時) (レス) id: 92e94bc51d (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - こちらこそ楽しい小説をありがとうございます。ちなみに、IDは変わっていますが、本物のゼリー体です苦笑 (2015年11月4日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 芋木姉さん» 更新が停滞しているにも関わらず、ありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。読んでくださってありがとうございました。 (2015年11月4日 0時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - お久しぶりです。元ゼリー体です。ハロウィンネタ大好きなので、隣人きたときテンション上がりましたw白桜も楽しみにしています。 (2015年11月2日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ゼリー体さん» 毎度更新が遅くてすみません、『隣人』更新しました。ご期待に添えていれば幸いです。リクエストありがとうございました! (2015年8月12日 2時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2015年5月26日 1時