2 ※E ページ5
俺がぽかんと立ち尽くしていれば、白が俺の横を通りすぎてふぶに抱きついた。
「ふぶ兄っ」
「いやーほんとうっかりしてたわ、ごめん!」
ぎゅう、と白を抱きしめ返すふぶに、どうやら事情を聞いてこいつと同じ様に走り回っていたあろまときっくんが走り寄ってくる。
とりあえずときっくんの執務室に通された白は、ふぶにぴったりとくっついて離れる様な気配はない。どうしたものか、と俺が頭を掻けば、ふぶが口を開く。
「改めまして、この子、俺の弟!」
「それは聞いたべや」
「そーそ! ふぶの弟ってのはわかったけど、名前とか、そう言うあれこれ教えてよ!」
「あ。そっか!」
ふぶがようやく思い出した、とばかりに白に話を振った。
「…あ…、…ふぶ兄には、Aって呼ばれます」
「A、かぁ、よろしくね!」
きっくんが勢い良く白…Aに手を差し出したが、差し出された手に驚いたらしいAがびくりと肩を震わせてふぶにさらに密着した。
「仲いい、ねぇ。……ブラコン?」
「きぃぃっくん!! なんでそう言う言い方すんの!」
ばかぁ、と叫ぶふぶだが、この状況はどう見てもそれだ。
あろまも呆れきった顔でふぶとAを見つめている。完全に持て余している顔だ、これ。
「Aは俺の腹違いの弟なの! 東軍に来てから迎えに行きたかったけど行けなくて、ようやくこの遠征で会えたんだよ! …だからきっくんお願い! Aを東軍にいさせてあげて。俺が一緒にいるから!」
両手を頭の上で合わせて頭を下げたふぶに、きっくんは少し腕を組んで唸った。
だが、次には快活な笑みを浮かべて頷く。
「よし! いいぞ! えおえおが一緒に見てくれるってよ! 良かったな!」
「え?! 俺?!」
「やったぁ! えおえお隊長ありがとー!」
「ま、まて、俺何も言ってな、」
「Aも良かったねー!」
「…はい。えっと、えおえお、隊長さん。よろしくお願いします」
ふにゃりと笑いながら手を差し出してきたAに、思わず俺は頷き返し、手を握ってしまった。
……これから、どうなるのやら…波乱が待ち受けているようで、頭が痛かった。
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ブラコン兄弟vs天然隊長。
これから隊長が兄弟に振り回される日々が繰り広げられ……ません。
A:二階から目薬→←E:青と白のコントラスト ※E 『白桜』
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長閑(プロフ) - 芋木姉さん» いつもありがとうございます。どうか気長にお付き合い下さい。読んでくださってありがとうございました! (2015年11月7日 19時) (レス) id: 92e94bc51d (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - こちらこそ楽しい小説をありがとうございます。ちなみに、IDは変わっていますが、本物のゼリー体です苦笑 (2015年11月4日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 芋木姉さん» 更新が停滞しているにも関わらず、ありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。読んでくださってありがとうございました。 (2015年11月4日 0時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - お久しぶりです。元ゼリー体です。ハロウィンネタ大好きなので、隣人きたときテンション上がりましたw白桜も楽しみにしています。 (2015年11月2日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ゼリー体さん» 毎度更新が遅くてすみません、『隣人』更新しました。ご期待に添えていれば幸いです。リクエストありがとうございました! (2015年8月12日 2時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2015年5月26日 1時