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E:ちょっとしたこと ※E 『隣人』  ページ33

「あ、肇さん」
 とたとたと駆け寄ってきたAに、俺は笑みを返した。
「今帰り?」
「はい、ちょうど」
 Aは制服だし、まぁそうだろう。俺だってスーツだ。
 きっちりと着られた制服姿は、毎朝見ているから見慣れている。
「お仕事お疲れ様です。…そういえば、さっきFBさんからラインが来たんですけど」
「え。…FBから?」
「はい。それで、今度一緒に遊ばないか、って言われて」
「…2人で?」
「いえ、皆さんと、って言われましたけど」
「そっか」
 FB、定期的にAにそういう話振るのはなんなのかな…。別にいいけど。
「それで、行くの?」
「はい。せっかくですから」
「…一緒に行く? FBとかの方まで」
「……いいんですか?」
 一気に表情の明るくなったAに頬を緩ませながら、いいよ、と頷いた。ら。
「…うん、行く! ……はっ」
「え、A、」
「あ、ああああ! す、すみません! あの、タメ口なんて使ってすみません!」
 ぼっ、と音がなるかと思うほどに頬を赤らめ、顔を背けてしまった。
「A、気にしなくていいから」
「肇さんは気にしなくても俺が気にするんです…! 本当にすみません…」
「いや…俺的には正直嬉しいんだけど…」
「で、でも肇さんは年上で、」
 もごもごとAが俯いて言葉を紡ぐ。
 てか、俺まだ敬語じゃないAって状況にときめいたままなんだけど、どうしよう。
「年上とか、気にしなくていいよ。Aだし」
「い、いえ…でも」
「……だめ、かな?」
 ちょっとばかり、わざとらしくしゅんとしてみせた。
 そうしたらAが顔を真っ赤に染めながら、ぼそぼそと呟く。
「…べ、別にだめって訳じゃ…」
「じゃあ、そうしてよ。出来る範囲でいいから。…ね」
 軽く首を傾げ、Aの顔を覗き込む様に言う。そうすれば、小さくAが頷いてくれた。
「…は、肇さんがいいなら…。で、出来る範囲、だけど…、」
「うん。嬉しい」
 くしゃりと俺が髪を撫でれば、Aがふにゃりと表情をほころばせて笑っていた。

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 唐突に友人と「思わず出るタメ口」について話していたので、ついネタに。
 ゼリー体 様、遅くなりましたがリクエストありがとうございます!

F:あなたにタマスダレを捧げよう ※F 『赤狼』→←E:夏祭り ※E 『隣人』



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長閑(プロフ) - 芋木姉さん» いつもありがとうございます。どうか気長にお付き合い下さい。読んでくださってありがとうございました! (2015年11月7日 19時) (レス) id: 92e94bc51d (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - こちらこそ楽しい小説をありがとうございます。ちなみに、IDは変わっていますが、本物のゼリー体です苦笑 (2015年11月4日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 芋木姉さん» 更新が停滞しているにも関わらず、ありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。読んでくださってありがとうございました。 (2015年11月4日 0時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - お久しぶりです。元ゼリー体です。ハロウィンネタ大好きなので、隣人きたときテンション上がりましたw白桜も楽しみにしています。 (2015年11月2日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ゼリー体さん» 毎度更新が遅くてすみません、『隣人』更新しました。ご期待に添えていれば幸いです。リクエストありがとうございました! (2015年8月12日 2時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年5月26日 1時

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