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E:寝起き 『白桜』 ページ29

すぅ、と寝息が聞こえた。
 僕はそっと扉を開けて、部屋に入る。
「…えおえおさん…」
 寝てる。…まぁ、えおえおさんよく寝てるけど。
 でもこんなに近い距離で見たの、初めてだなぁ。
「…えおえおさーん…?」
 起きない。僕そぉっと身体を屈めて、えおえおさんの顔を覗き込む。
 けれど起きる様子もなくて、珍しい、と僕はぼーっと見つめていた。
 そこへ「たいちょお!」と叫びながら入ってきたのはふぶさん。
「あれ? 隊長おやすみ中?」
「…みたいです」
「そっかぁ、じゃあお願い出来ないかー」
「なんでですか? 起こせばいいんじゃ」
「だめだめ! 隊長ってば、寝起き超悪いんだから。俺だって何度ナイフ振られたことか」
 怖い怖い、とふぶさんが身を抱く。
 僕はどうもそんな気がしなくて、そっと肩に手をおいた。
「っちょ、A…!」
「えおえおさん」
「…っ……………A?」
 ぼぅっ、としたえおえおさんの視線が僕を捉えた。
 手が伸ばされて、えおえおさんが僕の頬を撫でる。
「ぅ、わっ。くすぐったいですよ」
「…んー…もうちょっと寝かせて…」
「ふぶさんが用事あるそうですけど」
「…あ…?」
 もそもそとして起きようとしだすえおえおさんと僕を、交互にあっけにとられた顔で僕を見ていた。
「…無事で良かったけど…、よく起こせたね…?」
「だって、前も起こしましたし」
「そうなの?」
「はい、少し前に」
「…なんだかんだえおえおも、そういう当たりまで許してるのか…」
「ふぶさん?」
 ぼそりと何かを呟いた。だが、聞こえず聞き返したものの、何となくはぐらかされてしまった。
「…A〜…」
「なんです?」
 腰に抱きついてきたえおえおさんの深緑の髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。
「…動きたくない…」
「頑張ってください」
「……ご褒美とか、あったりする?」
「え?! …あ……か、考えておきます」
「…じゃあ、頑張る…」
 下から僕の顔を見上げ、くしゃ、と前髪を撫でた。
 そっと立ち上がり、えおえおさんはふぶさんの方を見る。
 やや苦笑交じりの表情を浮かべながら、ふぶさんがえおえおさんに言った。
「隊長、よだれついてる」

<>
 びっくりナイフを出させても良かったんですが、出させるならFBさんに対してかな、と(酷)
 ゼリー体 様、大変遅くなりましたが、ありがとうございました!

A:ちょっとした ※A 『修羅』→←2 ※E



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長閑(プロフ) - 芋木姉さん» いつもありがとうございます。どうか気長にお付き合い下さい。読んでくださってありがとうございました! (2015年11月7日 19時) (レス) id: 92e94bc51d (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - こちらこそ楽しい小説をありがとうございます。ちなみに、IDは変わっていますが、本物のゼリー体です苦笑 (2015年11月4日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 芋木姉さん» 更新が停滞しているにも関わらず、ありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。読んでくださってありがとうございました。 (2015年11月4日 0時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - お久しぶりです。元ゼリー体です。ハロウィンネタ大好きなので、隣人きたときテンション上がりましたw白桜も楽しみにしています。 (2015年11月2日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ゼリー体さん» 毎度更新が遅くてすみません、『隣人』更新しました。ご期待に添えていれば幸いです。リクエストありがとうございました! (2015年8月12日 2時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年5月26日 1時

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