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2 ※E ページ28

「Aっ」
 路地裏に入り込んだのか、と慌てて踏み込めば、端に膝を抱えて屈みこむ白がいた。
「A、良かった! ……A?」
 そっと肩に手を添えれば、そろそろとAが顔を上げた。
 紺碧の瞳から溢れるしずくに、俺は思わず息を飲む。
「A、どうしたの…?」
「…っえおえお、さん…っ」
 ぎゅっ、と俺に飛びついてくるA。
 どうしたのかと眼を白黒させ、俺はとりあえずなだめようと背をやんわりと撫でた。
「大丈夫、大丈夫」
 俺が静かに声をかければ、少ししてAは落ち着いたようで、眼の端を拭う。
 優しく手を握り、ひとまず駐屯所に向かって歩く。
「…えおえおさん、僕、気味悪いですか?」
「いきなりなに言ってんだべ」
 唐突な発言に、俺は思わずそう返した。Aは俯いたまま俺を見ない。
「僕、北国出身なのに。眼は青なのに。髪は、こんなに真っ白で。…一緒にいて、嫌じゃないですか?」
「…一緒にいるのが嫌だったら、こんな風に出かけたりしないし、必死に探したりなんてしないよ」
 沈黙。俺は足を止めて、屈む。Aの表情は、俯かれたら余計に俺からは屈まないと見えない。
(…どんなに大人びてても、15歳なんだ)
 まだ、繊細で傷つきやすい。そしてきっと、彼の両親達の眼が忘れられないのだろう。
「…本当、ですか?」
 ぽろぽろと伝うしずくをそっと拭いながら、俺は笑みを浮かべる。
「うん。本当。…俺がそんなことで嘘つくとでも思ってる?」
「…お、もって、ない、です…」
「じゃあ信じてよ。俺、絶対Aの事信じるし、守るから。一緒にいる」
「……はい」
 やんわりとはにかんだAの髪をくしゃくしゃと撫でる。
 綺麗な髪だと思う。白菫色の髪。
 初めて見た時、雪に溶ける様な髪だと思った。
 その時敵だったことを忘れて、思わず「白」と呟いてしまったのだ。彼の髪は、好きだ。
(…まぁ、髪だけじゃないけど)
 そう内心でこぼしながら、俺は笑みを浮かべ、口を開く。
「俺、Aの髪好きだよ」
「……ありがとう、ございます」
 やんわりと笑ってくれたAに、また笑みをこぼした。

<>
 本当はこう言うほのぼのした所やら髪についてももう少し触れたかったんですが、あんまり触れられなかったんですよね…
 連戦にも程がある(自分のせい)

E:寝起き 『白桜』→←E:雪の白 ※E 『白桜』



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長閑(プロフ) - 芋木姉さん» いつもありがとうございます。どうか気長にお付き合い下さい。読んでくださってありがとうございました! (2015年11月7日 19時) (レス) id: 92e94bc51d (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - こちらこそ楽しい小説をありがとうございます。ちなみに、IDは変わっていますが、本物のゼリー体です苦笑 (2015年11月4日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 芋木姉さん» 更新が停滞しているにも関わらず、ありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。読んでくださってありがとうございました。 (2015年11月4日 0時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - お久しぶりです。元ゼリー体です。ハロウィンネタ大好きなので、隣人きたときテンション上がりましたw白桜も楽しみにしています。 (2015年11月2日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ゼリー体さん» 毎度更新が遅くてすみません、『隣人』更新しました。ご期待に添えていれば幸いです。リクエストありがとうございました! (2015年8月12日 2時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年5月26日 1時

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