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K:ポーカーフェイス ※K ページ22

「ねぇね、これどう、きっくん!」
 唐突にそう言われて、俺は思わず「へ?」と素っ頓狂な声を返した。
 俺の目の前に立つAの手には黒のハーフグローブがはまっている。
「どうしたの、それ…」
「どうしたの、じゃなくてさ! かっこいいでしょ、これ!」
 確かにかっこいいと俺も思った、でも、なんだか妙な感覚がして、俺は素直に「そうだな」と返せなかった。
 俺の様子がおかしいとAもすぐに気づいたようで、「どうした」と問うてくる。
「い、いや…何でも」
 ぎこちなくそう言葉を返せば、あからさまにおかしいと言わんばかりにAは眉をよせてみせた。
「…きっくん、くどく言うけどな、きっくんの嘘なんてすぐわかるべ? 何年一緒にいると思ってんだべや」
 別にどうこう言わないから言ってみろ、とAは俺に言う。
 だが、理由のはっきりしていない俺から言うと、言えることがないというのが本音で。
 それでもなんとか言葉にしようと口を開いた。
「…えっと…ね、A」
「うん」
「なんか、かっこいいとは思うんだけど、なんか違和感っていうか」
「んー…? どういう事?」
 Aが首を傾げる。俺だってわかってないんだってば。
(なんて言えばいいんだろ…)
 なんていうか、いつも見えてるっていうか、いつもすぐ触れられるっていうか…
「あ」
「何、きっくん」
「わかっちゃった」
「分かったの?」
 うん、と返せば、Aがそっか、と笑った。それで? と先を促すこともない。
 だから、俺が言う。
「Aの手、俺好きだからさ。ずーっと触ってたいんだよね」
 そんな俺の言葉は想像していなかったのか、Aが固まった。
「は、な、なにほざいて、」
「…俺、結構マジだけど?」
「ごめん、それはわかってなかったわ…」
 珍しく、こいつの表情が赤く染まった。

<>
 爽やか野郎再び。
 こいつら早く爆発すればいいと思うのです←

E:黒の深緑→←2 ※F 



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長閑(プロフ) - 芋木姉さん» いつもありがとうございます。どうか気長にお付き合い下さい。読んでくださってありがとうございました! (2015年11月7日 19時) (レス) id: 92e94bc51d (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - こちらこそ楽しい小説をありがとうございます。ちなみに、IDは変わっていますが、本物のゼリー体です苦笑 (2015年11月4日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 芋木姉さん» 更新が停滞しているにも関わらず、ありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。読んでくださってありがとうございました。 (2015年11月4日 0時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
芋木姉(プロフ) - お久しぶりです。元ゼリー体です。ハロウィンネタ大好きなので、隣人きたときテンション上がりましたw白桜も楽しみにしています。 (2015年11月2日 23時) (レス) id: b8ed3af9ec (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ゼリー体さん» 毎度更新が遅くてすみません、『隣人』更新しました。ご期待に添えていれば幸いです。リクエストありがとうございました! (2015年8月12日 2時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年5月26日 1時

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