【ＭＳＳＰ】遠いようで近い【女主】

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「…ＦＢなんて？」
　笑顔で通話を切ったナギに声をかける。本人は嬉しそうにスマホをしまいつつ口を開く。
「今日モ○ハン実況するから幡野先生帰りに拉致っちゃうらしいです！」
「拉致られちゃうんだ〜〜怖〜〜い」
「私も手伝って華麗に後部座席に押し込みますね！！」
「親指立てんな中指立てんぞ」
「ヤだ先生そんなセクシュアルなハラスメント…」
「セルフモザイクかけとくわ」
「先生の片手がモザイクの犠牲に…」
　あらまぁなんて言いながら笑ったナギを見ながら、食べきった弁当をしまう。
「で、お前は何につられた訳？」
「ヤだな〜そんな安くつられませんって。……ってのは冗談でね」
「ネタバレはえぇよCM挟め」
「えおえおさんプリンがあるそうで！！」
「…って事は、お前も来んのね」
「ザッツライト！ 大正解！ 洗濯機をゲット！」
「おーそりゃ嬉しいわ。渡してみろよ」
「…１０年来のもので良ければ、不束者ですが…」
「なんでそんな年季入ったの寄越すんだよ新規よこせｗｗｗ」
「歴戦の猛者だぞ先生！ 春夏秋冬62Lを回し続ける猛者ですぞ！！」
「洗濯物溜めすぎだろ！」
　全く、と俺が腕を組めば、ナギは「にひひ」と笑った。前から思ってるけどその笑い方なんだよ。
「プリン楽しみだなー」
「プリンだけかよｗ」
「掛け合いも聞き耳立ててます！ 先生らしさといえばそうですけど、あんま罵倒してあげないでねー」
　言い返してる所も面白くてすきなんだけど、と言いながらナギがまた笑った。
　コイツの好きってどの範囲が本気だかよくわからん。多分ＦＢに対する好きはプリンと同列だと思うんだが。というか、思いたいけど。
　バタバタと複数の足音が廊下でして、ガラッと扉が開けられた。
「あっ、幡野先生〜！」
「んだ、どうした」
「絆創膏くださーい」
　女子生徒3人。それぞれまぁ最近のJKだなぁって格好で、スカートが短かったりあれこれする訳だ。
　言われた通り絆創膏を渡し、3人が保健室から出るのを見送ってナギの方を見ると、なぜか真剣な表情で扉の方を見つめていた。
　ひょっとして、何か思う事でもあったか？
「……ナギ？」
「…あの子達…体操ズボン履いてないんですね」
「は？」
「あの短さは床に座ったら見えますよ、パンツ」
「何の話だよ！」
「むしろ階段の下からでも見えちゃ」
「もう良いから黙ってろ！！」

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