その鈍感さはたぶん罪に値する。たぶん。 ページ26
「…あの、あろまさん…??」
ナギが困惑した顔でおれを見ている。おれは少し大きく息を吐き出して、ナギを見た。
「あのさ、今度の出掛けに誘ったの…デートの誘いだから」
「……はへ」
「だからいつもより緊張しててほしい、…んだけど」
「……はひ」
「…聞いてんのか?」
は行星人になったナギにジッと視線を送れば、再び「はひ、」とか零してから口を開いた。
「あ、あ〜〜〜、えぇと…で、でぇと?」
「ジジイみたいな言い方かよ。…そうですけど??」
「で、……でぇええ!?」
「うるせぇ!」
「痛いごめんなさい!!」
ありえないみたいな顔で叫んだナギの頭をパァンと叩いた。条件反射だ許せ。そう言ったらどこのイ○チさんですかと頭をこすりながら返された。そういえばお前も読んでたな。
「とにかく…、そういうことだから…よろしく」
手を離し、おれはそそくさと去る為立ち上がった。はっずいわ。超恥ずかしい。柄にもなく超緊張したぞ。
「ま、」
焦った声が聞こえ、おれの服の裾が力任せに引っ張られた。そのせいでおれは体勢を崩し、グラリと後ろに傾ぐ。ナギの慌てた顔が視界に映る。咄嗟に手を伸ばし、このままじゃ下敷きにして潰す、そう考えてナギを抱える。
床に倒れ込むのは絶対に痛いだろうと覚悟していたが、少し移動していたおかげかFBが出しっぱにしていた冬ぶとんに倒れ込んだ。ボッフンとマヌケな音がして、下から「ぐぇえ」とさらにマヌケな声が聞こえた。
「わり、ナギ、だ…」
大丈夫か、と言おうとしたおれの言葉はピタリと止まった。倒れ込んだのと何も考えずに抱えたせいでお互いの顔が目と鼻の先にあり、鼻先がかすれる程に近かった。
「っわ、悪い…!」
慌てて距離を取る為に上体を起こし、おれは動揺も収まらないままに未だ冬ぶとんの上で硬直したままのナギに声をかける。
「お、おいマジ大丈夫かお前…」
「……はひ…」
「は行星人継続かよしっかりしろ…。…ホントに大丈夫か」
39人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月羅(プロフ) - 連コメ失礼します。設定も、私とおんなじ感じでとても世界に入りやすかったです! (2015年7月19日 9時) (レス) id: 0b360647bd (このIDを非表示/違反報告)
月羅(プロフ) - 初め、女主を女王と読んでしまいましたw 面白かったです!更新待ってます!! (2015年7月19日 9時) (レス) id: 0b360647bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリル(プロフ) - すごく面白いです!これからも更新楽しみにしてます! (2015年5月10日 21時) (レス) id: 475b9ca86a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:長閑 | 作成日時:2015年5月10日 21時