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おれの冷静なツッコみにナギは軽快に笑い「まぁそっすね!」と親指を立てた。そのポーズどうだよ。毎度思うけど。古いぞ。
「…お前はあぁいうタイプ見ててなんも思わない訳?」
「うーん、体力使ってそうだな〜と思います」
「まぁ精神は削ってそうだよな」
「花形である為の涙ぐましい努力が…」
「割とあれはナチュラルだと思うんだが」
「ナチュラルボーンパリピ……???」
「それはパワーワードすぎる」
「そういう先生はパリピ時代あったんですか」
「そんな話題を振って何を期待してるのか知らねぇがね―――よ」
なるほど先生はノットパリピ、なんて言いながら隣を歩くナギにため息を一つ。
コイツは本当にブレねぇなぁ。
ちらっとこちらを見上げたナギが口を開いた。
「…先生、私と一緒だと割と多くため息吐きますね」
「気のせいだろ」
「…そうですか?」
「そうそう、気のせい」
「……ですか」
視線が下がり、少し、呟くように。それでいて、いつもの様なハッキリとした言い方で。
「…ナギ?」
「ハイ、なんです?」
「…いや、なんでも…」
「呼んだだけ〜ってヤツですか」
「そういうことだ」
「かなしい」
「罵倒した方が良かったか?」
「存在で罵倒されるとは理不尽の極み」
はは…と乾いた笑いを零しながら、ナギは視線を逸らして、どこか別の方へ投げる。
なんだかいつもの調子がなくなったようで、おれはグッと喉の奥が詰まる感覚がした。なんだよ、さっきの言い方。おれの方が気になんだろうが。
ジッとナギのつむじ辺りを見つめてみるが、まぁ当然気づくはずもなく、ナギはボーっとどこかを見ている。
(…なんだ、今のはおれが悪いのか)
だっていつもだったらケラケラ笑ってそのまんま流されてたし。おれはいつも通りだけどナギがいつも通りじゃなかったんだよ。
「なぁ、……はっ」
「…せんせ?」
急に足を止めたおれに気づいて、ナギがきょとんとした視線をおれに向けてくる。
「テラス戻るか、ナギ」
「なんで?」
「いいからオラッ、オラ歩け」
「ちょちょ…」
「あっ!」
うわ、見つかった。こんな時に。
バタバタとやってくる3人をため息混じりに見ながら、おれは本日何度目かわからないため息を吐き出した。
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月羅(プロフ) - 連コメ失礼します。設定も、私とおんなじ感じでとても世界に入りやすかったです! (2015年7月19日 9時) (レス) id: 0b360647bd (このIDを非表示/違反報告)
月羅(プロフ) - 初め、女主を女王と読んでしまいましたw 面白かったです!更新待ってます!! (2015年7月19日 9時) (レス) id: 0b360647bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリル(プロフ) - すごく面白いです!これからも更新楽しみにしてます! (2015年5月10日 21時) (レス) id: 475b9ca86a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2015年5月10日 21時