さんじゅーきゅー ページ7
英智と同じユニットに入って、
つむぎや凪砂、日和とも顔を合わせて
今のところは普通だ。
いや、ここじゃ普通じゃねぇのか。
これは俺が求めてたユニット活動そのものだ。
凪砂は古墳とか見に行ったり、日和は女の子と遊んだりと自由奔放で、
英智は何考えてるかわかんねぇし、
つむぎはいい人すぎて逆に怖ぇ。
だが、5人揃えば最強で。
ファンたちの笑顔も沢山見れて。
俺がなりたかった、ずっと憧れてたアイドルになった気がした。
正直、あの時の英智の言葉は気になるが……
そういえば、零に会ってねぇな……学院にいねぇっつーことは、海外か?
『〜♪〜♪〜♪』
凪砂「〜♪〜♪〜♪」
日和「〜♪〜♪〜♪」
つむぎ「〜♪〜♪〜♪」
英智「〜♪〜♪〜♪」
黄色い歓声が響く
今は、今ここに立っている間だけは色んなことを忘れられる
……そういや、母さんと父さんが喜んでくれてたっけな
なら、俺は英智たちと歌っていて正解だったのかもな
俺たちfineは、一躍人気アイドルになった
日和「Aくん、元気がないね。ちゃんと寝てる?」
凪砂「最近は特にふらついてるよね。何かあったの?」
『あー、俺は大丈夫だ。ありがとな、日和、凪砂。』
日和「本当?心配だね。」
凪砂「何かあったら言ってね。」
『すまないな、二人とも。』
fineに入って5人との距離が離れた気がする。
最近見ねぇし、元気にしてんのかなアイツら。
今の俺を見たら驚くだろうな。
甘えるだけじゃないんだ、俺も。
俺も、お前らみたいになれるんだよ。
『たっだいまーーー!Aくんが帰ってきたぞ☆』
A母「おかえりー!今日もテレビに出てたわよね!見てたわよ♪録画もしたわ!」
A父「おかえり!怪我はしてないな??お前はかっこいいんだからなー!」
『えへへ、照れるなあ!そんなに褒めても何も出ないぞ〜』
母さんと父さんが幸せならいいと思ってた。
そのためなら俺じゃない奴になりきる。
けど今は、零や英智たち、みんなも幸せでいてほしかった。
欲張りな俺の願いは叶うのだろうか。
バカな俺はその時、裏ででけぇ策略が動いていたことに気づいていなかった。
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