賞味期限。

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「ずるいよな、僕も」

『いいんですよ。ずるくても。』



私じゃダメですか、なんて。

今言ってしまうのは良くないと思った。


きっと龍友さんは困ってしまう。
私がしたいのは困らせることじゃない。

だけど、欲張りにだってなりたくて。


私だけを見てほしい、龍友さんの全部が欲しい。

けどそれは今の関係じゃまだだめで。


好きな人に振り向いてもらうのって本当に大変だ。

どうすればいいかなんていうのは、私にもわからない。




『お腹空きましたよね！早く食べましょっ』

「...うん、」


どうしたら好きになってもらえるか、なんていうのはわからないものだ。








▽


時々触れ合う肩が、なんとなく焦れったく感じてしまった。

キスをしてもその焦れったさが消えることはないのに。


向かい側で一緒に作ったご飯を食べる姿に冷え切っていた心がじんわり温かくなってくる。

これは無理につくったわけではなく、彼女といることによって起きる自然現象だ。


僕の心が彼女に傾いてきている証拠だろうか。

...捨てきれない優への想いがまた僕の心を冷やしそうで。


怖くなった僕は、Aだけに意識を向ける。









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