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15冊目 ページ15

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それから基礎練習とストレッチを終えると
3対3のミニゲームをローテーションしながら
何回かやってヘトヘトになった頃に10分の休憩に入った。

その時には(人1)の事もすっかり頭から抜けていて
俺は息を切らしながら樋口にドリンクを貰いに近づいた、



「樋口、ドリンク」


「ん……自分の彼女に貰えば?」


「は?」



彼女?何言ってんだコイツ……。
と思いながら樋口が視線を向ける方を見ると
お約束のように(人1)が無冠の五将3人に囲まれていた。

っつか何当たり前にドリンクとタオル渡したりしてんだ
お前見学であってマネージャーじゃないだろうが。



「樋口……お前、(人1)に試しに仕事やらせて
そのままあわよくばマネージャーに取り込もう
……とか思ってんじゃねーだろうな」


「んー……マネージャーは何人居ても困らないし」


「ふざけんなバカ、ぜってーやめろ」



俺は樋口からドリンクを奪うとそれを飲みながら(人1)の方に近づいた。

興味津々に目を輝かせながら(人1)の周りをウロチョロする葉山とあと何故か筋肉見せつけてる根武谷。そしてそれを止める実渕がいる。



「ねーねー!黛サンと付き合ってるんでしょ?ぶっちゃけどんな感じなのー?」


「そんな事より帰りに牛丼食いに行こうぜ、筋肉が肉食わせろって疼いて仕方ねぇ」


「もう!アンタ達いい加減にしなさい!
初対面、それも先輩にガンガン食いつくんじゃないの!」



っつーか待て、さっきの樋口もそうだが
なんで俺と付き合ってるってことで広まってやがる。

この短時間で何がどうしてそうなった。



「おい、なんで俺とコイツが付き合ってる事になってんだ」



誰にともなく問いかけると無冠と(人1)が俺の方を見る。
真っ先に口を開いたのは葉山だった。



「だって黛サンが連れてきたんでしょ!赤司が黛さんが人連れてくるなんて珍しいから特別な関係なんじゃないかって言っててさー!」



あのクソお坊ちゃんが。分かっててやりやがったな。



「でも実際どうなの?興味はあるわね」


「付き合ってねぇよ、ただのクラスメイトだ」



と言うと今度は(人1)が少しだけ悲しそうに俯く。

事実だろうが。それとも何だ、公に言えってか?
一冊ラノベを買ってもらう代わりに一日恋人になってやってるんだって?ふざけんな、マジでねーわ。



「とにかく変な勘違いされては困る。それだけだ」



それだけ言うと俺はベンチに置いてあったタオルを掴んで首に掛けるとその場を後にした。

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作者名:由麻 | 作成日時:2024年3月26日 0時

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