42-勝てなかった ページ43
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監督生
半年前突然ここに飛ばされて、魔法やら馬車やらで、右も左も分からない、可哀そうな私。
何より、ここは男子校で、私みたいな女子が認められるはずがなかった。
グリムのおかげで世話役として入学の許可が下りたけど、その条件として私は男装をしなければならなくなった。
大切に伸ばしていた髪を切って、メイクだって制限された。
ズボンしか履けないし、男の子みたいに話さないといけない。
何もかもに絶望していた。
「小エビちゃん」
…でも、フロイド先輩だけが、私の心に癒しを与えてくれた。
周りは私の事を馬鹿にしたりしたけど、先輩は女と知った後も、変わらずに接してくれた。
フロイド先輩が好きだ、って思えた。
それに、先輩だって私の事を好きな筈。
そう思ってたのに。
「同じ女の子同士、よろしくね」
私とは違って、こっちの世界で、魔法が使える女の子。
勇気があって可愛くて、この学校で、認められた子。
好きな服を着れてお化粧を出来て、高嶺の花の扱いをされてる、Aちゃん。
私に近づいてくる男の子は皆Aちゃんに夢中だった。
＿そして、それはたぶん、フロイド先輩も。
フロイド先輩は、彼女の前でだけ態度がまるで違った。
冷たく接しているけど、彼女が気付かないうちに先輩はすごく愛おしそうな目であの子を見つめていた。
「……何でも持ってるんだから、先輩は私に譲ってよ……」
Aちゃんも、フロイド先輩が好きだ。
だから、彼女が他の子を好きになるように、サムさんに作ってもらった。
惚れ薬の効果がある赤いピアスを。
本当はAちゃんに渡すつもりだった。
つけた瞬間、目の前の相手を好きになるピアス。
だけど、フロイド先輩を看病できる絶好の機会に巡り合って、フロイド先輩にピアスを渡す事にした。
彼はこれで目の前に居た私を好きになる。
先輩は、私の物。
「惚れ薬のピアスまで、使ったのに……！
どうして、あの子に勝てなかったの…っ」
不意に、大きな影に覆われた。
直後肩を叩かれる。
振り向くと、恐ろしい程見知った顔。
「今のお話、詳しく聞かせて頂いても？」
「……っひ、」
ジェイド先輩と、アズール先輩。
……まさか、今の…聞いて。
「これ以上、相棒の恋路の邪魔はさせませんよ」
ああ、私。
本当に今度こそ、終わった。
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おそらまめ(プロフ) - 森Shizuku?さん» コメントありがとうございます！高校生の時のあの青春って本当に素敵ですよね。その通りです、10話のタイトルはエースの言葉を代弁しました！何度もご覧いただき光栄です…。本当にありがとうございます！ (2021年10月6日 11時) (
レス) @page11 id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
森Shizuku?(プロフ) - このお話、何度読んでも素敵です。10話のところってエースの言葉なんですかね。深いし、みんなそれなりに高校生してるなと思いました！ (2021年10月1日 20時) (レス) id: 7c267cd787 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 智真さん» 智真様、完結のお祝いありがとうございます！そうなんです、男子高校生をやってるフロイドくんが書きたかったんです…！そう言って頂けて感激です！監督生と2人の間に何があったかは、ご想像にお任せします（笑） (2020年8月26日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 華のフロランタンさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです(^^)また何かご縁がございましたらどこかでお会いしましょう！ (2020年8月26日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - モブサイコ１００さん» 最後までご愛読ありがとうございます！オクタは本当に素敵な3人なので絶大な人気ですよね…！ここは沢山素敵な作品がございますが、読者様にとってこの作品が心に残る作品であれば幸いです(^^) (2020年8月26日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年8月3日 1時
