41-いつだって1番は ページ42
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ああ、フロイド先輩。
学校ではいつもだるそうに歩いてるのに。
長い足を駆使してこちらに走ってきていた。
彼の美しいターコイズブルーの髪の毛がじっとりと額に張り付いている。
「先輩！」
「……小エビちゃん？ 二人で何してんの？」
「えっと、……それは……」
可愛いユウちゃん。
私だって本当はあんな風にぱあっと顔を輝かせて大好きな人のもとに駆け寄りたい。
私にはそんな権利ない。
やだ、だめ。フロイド先輩を見たら、……涙が。
「……っA！？」
フロイド先輩の驚いた声にも返事せずに逃げるように校舎裏に体が動いていた。
だって、見たくない。二人が仲良くしてる所なんて。
私、なんて弱い人間なんだろ。
まだ二人を応援できる心になれてない。
「＿＿……っ、A、」
＿＿彼女が走り去っていった直後。
フロイドは、またも逃げられた想い人を追いかけようと一歩大きく踏み出したのだが。
以前味わった不快な感覚に服の裾を強く摘まれた。
「行かないで下さい、フロイド先輩…！」
「何やってんの？ 小エビちゃん」
「先輩の事が諦められないんです……！」
「………あは。それ、本気で言ってんの？」
前にも、一度見たことのある光景。それに、発言。
監督生は震える手でフロイドの服の裾を掴んで離さない。
しかし冷酷な笑い声と強く払いのけられた手によって、監督生はバッと顔を上げた。
そして気付く。
彼の右耳に、監督生の贈ったピアスは無い。
「小エビちゃんこないだ、オレの事応援するって言ったよねぇ？
……笑わせないでくんない？」
「ふ、フロイド先輩、私は……！」
「あのさあ」
はあ、とわざとらしく吐かれた溜息で喉を詰まらせた監督生。
勢いよく彼に立ち向かっていた筈の足は、今はがくがくと震えている。
「A以外のメスとか興味ねぇんだよ。
これ以上怒らせるとマジで絞めんぞ」
「…………っっ」
初めてフロイドから向けられた凍るほど冷ややかな瞳が脳裏に焼き付き、喉を鳴らすくらいしか彼女にはできなかった。
そしてそんな様子の監督生を見て、フロイドは今度こそ逃げて行った人魚姫を追う。
意中の人が見えなくなったとほぼ同時に、監督生はへなへなと地面に膝をついてへたりこんだ。
「…………何が、だめだったの……」
私の、何が。
そう呟く監督生は泣いて＿…否、悔しさに顔を歪めていた。
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おそらまめ(プロフ) - 森Shizuku?さん» コメントありがとうございます！高校生の時のあの青春って本当に素敵ですよね。その通りです、10話のタイトルはエースの言葉を代弁しました！何度もご覧いただき光栄です…。本当にありがとうございます！ (2021年10月6日 11時) (
レス) @page11 id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
森Shizuku?(プロフ) - このお話、何度読んでも素敵です。10話のところってエースの言葉なんですかね。深いし、みんなそれなりに高校生してるなと思いました！ (2021年10月1日 20時) (レス) id: 7c267cd787 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 智真さん» 智真様、完結のお祝いありがとうございます！そうなんです、男子高校生をやってるフロイドくんが書きたかったんです…！そう言って頂けて感激です！監督生と2人の間に何があったかは、ご想像にお任せします（笑） (2020年8月26日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 華のフロランタンさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです(^^)また何かご縁がございましたらどこかでお会いしましょう！ (2020年8月26日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - モブサイコ１００さん» 最後までご愛読ありがとうございます！オクタは本当に素敵な3人なので絶大な人気ですよね…！ここは沢山素敵な作品がございますが、読者様にとってこの作品が心に残る作品であれば幸いです(^^) (2020年8月26日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年8月3日 1時
