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#6 ページ6

帰りたいと現実逃避をしても、何も始まらないことに気付いた私は、とりあえず名前も知らないのは不便だということで、自己紹介をしたりされたりした。

「えーと、金髪がナルト、桃色がサクラで黒髪がサスケ、ね。私は犬神A。一応上忍でカカシと同期。特技は暗殺で、座右の銘は『殺される前に殺せ』かな。好きなものは犬。えっと、よろしくね?」

きちんと自己紹介をしたって言うのに、サクラちゃん以外の目線が冷たい。

「黒板消しに引っ掛かったカカシ先生と同期……」
「……期待するだけ無駄、か」
「待って待って待って、黒板消しのカカシって何?めちゃめちゃ面白そうじゃ、ぐぇっ!!うごけ、る、やん…」

落ちないように、と首に巻いてあったカカシの腕できゅっと首が絞められれる。その一瞬しか動けなかったようだが、十分やばかった。

そんなことをして結局私の汚名返上という第1も目標を達成出来ないまま、タズナさんの家に着く。
背負っていたカカシをタズナさんの娘、ツナミさんへと引き渡し、適当な部屋を貸してもらい横になる。

「疲れた………追い忍云々の話は全部カカシにぽいしよう………今日は寝よう」

すぐに襲いかかってきた睡魔に誘われるままに眠る。深い眠りは、奥底のあいつらにまで到達した。

『何だか面白そうなことをしておるな、ワシも混ぜておくれ』
『嫌でーす。阿形はめんどくさい方向にしか首を突っ込まないから嫌いです』
『じゃあ妾は!?妾も楽しいことしたい!いっつも阿形ばっかりでずるいぞ!』
『吽形もダメ。今回は人がいっぱいだからねー』

ケチーと頬を膨らませる少女とそれを真似する可愛くない青年。2人は青年を阿形、少女を吽形と言い、犬神家1族の悲願、先祖返りとして私の中にいる。
尾獣を封じた人柱力なんかとは違う。何てったって中にいるのは位こそ低いがれっきとした『神様』だから。

月に一度阿形、吽形どちらかに体の主権を明け渡し、自由にさせる。その代わりに彼らのチャクラを必要な時に借りるそんな契約を交わしている。

深い眠りは余計なものを思い出させて、余計に疲れる。これからはちゃんと適度に寝ようと考える私なのでした。

その頃の現実世界の私に、あらぬところに耳が増えてる、なんて私には知りえないことで。

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作者名:蒼那 | 作成日時:2017年9月6日 22時

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