【黒バス】マーメイド【青峰大輝】

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【青峰side】






くぁ、とあくびを一つ。



(‥だりィなー)





あっという間に冬が過ぎ、春を迎えた俺はその暖かさに負けそうになる。なぜこんなにも眠いのか。

いつものように俺のサボり場である屋上に向かっている途中、後ろからの追突。



‥振り返れば小さい女。




(ーーへぇ、この学校にこんないい女がいたのか)



そう思ったのも束の間、目の前の女は小さい声で「あおみね」とハッキリ。そう確かに言った。


若松の名前を出したソイツ‥Aサンはてっきり若松の女かと思ったがどうやら違うらしい。


しかしまあ、
上から下まで見りゃ顔良しスタイル良し。

俺と遊んでよ、なんて言ってしまったが後悔


軽い手刀と共に「クソガキ」と一言。





「おっかねー」


「なーに言ってんのよ、可愛げのない後輩ね」


「Aサンはカワイーけどね」


「ハイハイ、そんなこと言ってると若松にチクるわよ〜」





じゃあね、と左手をヒラヒラさせながら俺の真横を通り過ぎる女は「若松がストレスで死んじゃう前に問題児くんも程々にしてね」と一言。ーーそしてその女は甘い匂いを残していった。






やけに鼻をくすぐるその匂い。
その女に対する好奇心はーー




暖かくなった、春のせいか。






屋上でマイちゃんの写真を見てもなお、その女の影は取れなかった。





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