その質問には飽きましたー赤司side ページ3
Aと学校に向かい、教室に着いてからいつものように女子に囲まれる
猫撫で声で俺の名前を呼ぶ女子達は正直好きではない
適当に笑顔で応えていると、授業の始まりのチャイムで女子達は俺の前から散っていく
俺も自席に着き、隣に座るAの横顔を見つめていた
綺麗な横顔だと思う
美しい黒色の髪をポニーテールにして、頬杖をついて窓を見るA
Aとは3歳の頃からの幼馴染だ
ずっと一緒に行動しているせいか、周りからはよく聞かれる
「赤司って、Aと付き合ってるのか?」と
その度に
「付き合っていないよ。俺たちは‴ただの幼なじみ‴だ」
と答える
正直、うんざりだ
何度聞かれれば済むのか
いっそ、もうAと付き合っている、と答えてしまおうか
そんなことを考えながら授業を受けていると、もう昼休みになってしまっていた
自分の机で弁当を広げて昼食を取ろうとすると女子達が寄ってくる
「わぁー、赤司くんのお弁当美味しそうだねぇ!」
「やっぱりお金持ちの人ってお弁当も豪華なんだねぇ」
早くどこかへ行って欲しい
俺は今お腹がすいているんだ
『みんな早く食べないと昼休み終わっちゃうよー?』
Aの声がした
「そ、そうだよねー!」
「そろそろ私達も昼食べないとね!」
群がっていた女子たちは自分の席に戻って行った
「ありがとう、A」
『ううん、私が静かにご飯食べたかっただけだし』
「そうか。Aの弁当はいつも美味しそうだね」
『ありがと。征十郎に言われると嬉しい。』
そう言ってニコニコと笑うA
思わず顔を伏せる
ーただの幼なじみなのに俺は最近Aと話していると、妙な気持ちになる
心の底がモヤモヤするような、言い表せないような感情だ
今までそんなことはなかったのに
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年6月1日 8時