征十郎の恋人? ページ14
ー月曜日は嫌いだ
全部面倒くさく感じるの
でも、月曜日なのに、征十郎が隣にいると学校に行くのも授業を受けるのも苦じゃない
授業が終わり、図書室に行こうと席を立つ
「A!私今日用事あって、掃除当番代わってもらってもいい?」
『桜、うん。別にいいよー。』
図書室で勉強する前に桜の代わりに教室掃除をする事になった
桜の班員と放課後少し残って掃除をする
「村上さん、ごみ捨て行ってくれる?」
『うん、行ってくるね』
ゴミ袋を持って1階の塵芥庫にゴミ袋を捨てに行く
全て捨て終わって教室へ戻る
「あの、赤司くんいますか?」
声をかけられる
振り返ると可愛い女の子がいた
長い茶色の髪を巻いていて、短いスカート丈、香水の匂い、濃いめの化粧
洛山の制服じゃないから、きっと他校の人だろう
『征十郎なら部活に行ってると思いますよ』
「部活はどこでやっているのです?」
口調から漂う、お金持ちな雰囲気
きっとお嬢様なのだろう
『体育館でやってますよ』
「あら、そうなのですね。
私は聖華学園の園川エリと言います。貴方は?」
聖華学園、お金持ちの女の子が通う女子校だ
『私は村上Aです。征十郎のお友達ですか?』
「お友達.......と言うより、婚約者なんです。」
婚約者?
じゃあ昨日征十郎が手を繋いでいたのはこの人なの?
『婚約者..?』
「はい、貴方こそ、征十郎と親しげに呼んでいますけどどういったご関係で?」
『私は....征十郎の幼馴染ですけど』
「幼馴染、ねぇ。私と彼は婚約しているのですからあまり深く彼に関わらないでくださいね?」
『.....はい』
「今日は彼と2人で帰ろうと思ってここに来たんです」
『征十郎はいつも私と帰ってますが』
「私達は婚約者なんです。幼馴染の貴方と一緒にしないでいただける?今日からは私が彼と帰るんです」
そう言って園川さんは体育館へ向かった
嫌だった
征十郎に婚約者がいることも、一緒に登下校出来なくなることも
せめてあの二人が恋人どうしなら私も諦めずに頑張れたけど、「婚約」という絶対的な事実は揺るがない
征十郎と距離を置いた方が良いのかな
彼を好きな気持ちを殺した方が良いのかな
掃除を終え、図書室に置き手紙を残して1人で帰った
帰り道
何もかもが遠く感じる
もう彼と関われないのだろうか.......
好きな人からただの幼馴染に戻って、それからは赤の他人になってしまうの?
征十郎、初めての恋なんです。
もう少しだけ、好きでいてもいいですか?
貴方達の邪魔はしないから
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年6月1日 8時