『元』 地味女の逆襲

逆襲18 居心地の悪い部屋 ページ19

緑間に連れてこられたのは謎の部屋だった。

扉が開いた瞬間、視界に入るカラフルな髪に目がチカチカする。






「そいつか」







脚を組んで椅子に腰掛ける赤司に便乗して、青峰が待ってましたとでも言いたげに「お、来た来た」と言う。









「へぇ…近くで見るとまた一段と可愛えぇな」

「だから言ったんスよ! やっぱ俺の女子選びにハズレなんかないッスわ〜」








ただでさえ糸のように細い目をさらに細めて笑うのは今吉翔一。
それに続いて、黄瀬もなぜかドヤ顔で私を褒めた。








どうやらここは空き教室らしい。古びているが内面はとても綺麗だ。

恐らく女子からの逃げ場としてここに集まるのだろう。


そして驚いたことに…キセキの世代が勢揃いしてるだけでなく、他校の元バスケ部の人間もちらほらいる。







「なんでこいつ連れてきたんだ？」


黄瀬とは違ってクールな雰囲気を持つ金髪の男…宮地清志の質問に、緑間は「いや、少し興味深かったんで」と答える。








「そういや、Aちん？だっけ…周りの女子みたいに俺ら見てもギャーギャー騒がないし〜
ね〜赤ちん」

「ああ。それは興味深いね。」







当たり前じゃない。私はあんたたちが大嫌いなんだから。







「とりあえず座ったら？」





優しそうにエスコートする、左目を黒髪で隠した男、氷室辰也。
悪いけどもう知ってるから。あなたのその笑顔の裏の顔を。





ていうか、いつまでこんな暗いところにいさせるつもり？
私帰りたいんだけど。







「帰る」

私がそう言うと、彼らは驚いて一斉に私を見る。








「な、なんで帰っちゃうんスか⁉⁉」

黄瀬が引き止めるように言うが、私は完全無視してきっぱりと言い放った。








「私…あなたたちが大嫌いなの。

それに………







忘れたとは言わせませんから」









この暗くて狭い、居心地悪い空間から逃げ出すべく私は教室を後にした。

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