ふたつかみ ページ11
もう、もうもうもう!
ムカつくのよ彼。毎日毎日嫌になるわ。
ホンットに馬鹿なのよ、彼。
こんな私を追いかけて、こんな私を望んだの。
知らないんだからね、どうなっても。
できないんだからね、幸せになんて。
いいのね?遠慮しないわよ?
なんてまくし立てたところで、彼が頷くのは予想できてたんだけどね。
それがなんだか恥ずかしくて。
見え透いた嘘を並べて、見え透いた冷たさで突き放した。私の頑張り返しなさいよ。
へらへら笑わないで、ホント不愉快!
大嫌いよ、彼なんて。
だから、笑わないでってば!
伸ばされた彼の手がね、私を掴もうとしたの。
指先が触れただけなのに、ひどく熱くて。
あの時の雪とは、比べ物にならないくらい、熱い。
だから振り払ってやったの。彼の手を、もう一度。
その時の顔ったらないわ。思い出しても笑っちゃう。
幸せでいっぱいで仕方ないって顔。
なんでそんな顔してたのかって?
振り払った手を、握り返しただけよ。
だって、いつも彼から手を握るんだもの。
なんだか、癪じゃない?
何よ、貴方まで笑うの?
「幸せそう」って……
当然じゃない、馬鹿ね。
ホント、馬鹿ね。
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熱すぎる/手を振り払う/心の底
誰かのために自分を解き放った女の人の話。
本当は惚気けたくて仕方なかった女の人の話。
ちなみにこれは惚気を聞かされている側視点です。
わかりにくくてすみません。
私は情景描写無しに台詞をつらつら書くのが好きです。だから一文が短いんですよね…
今度は一文を長く書いてみようと思います。
次回!
「結婚しても惚気かよ」
でお送りします、お楽しみに!(続きません)
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スピカ(プロフ) - あの作品…とても良いとは思っていたけどこんな風に小説化するとは…語彙力高い! (2019年11月12日 10時) (レス) id: 107a705257 (このIDを非表示/違反報告)
冴(プロフ) - なんか……素敵!どこがいいとは言えないです語彙力よ来い。面白いので頑張って下さい! (2019年10月27日 18時) (レス) id: cd880b444a (このIDを非表示/違反報告)
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