4(碧色) ページ7
思い切ってバッと後ろを振り返る
後ろに立っている人の姿は逆光になってよく見えなかった
日当たりのいい部屋なんだな、ここ
……じゃなくて、体格からして多分相手は男
部屋の最上階に入ってこれたって事は魔導師か運動神経がとてもいいバケモノ
どちらにしろシオンと私は太刀打ちくらいはできるだろう
勝てるかどうかはさておき逃げるくらいはできるはずだ
「そんなに怖がらないで」
突然部屋に入ってきた男性は優しい声で突然そんな事を言った
「クレア怖がりすぎだよ!いつからそんなに臆病になったの?突然家に男の人が入ってきたくらいでそんなにビクビクしちゃって! 」
「突然部屋に男の人が入ってきてビクビクしない女の子は多分そうそう居ないからね!?…今から質問するから迅速に答えて」
私はシオンにツッコミ、男の人に杖を向けて睨みつける
男の人は「そんなに怖がらないでって言ってるのに」と笑っていた
「あなた、名前は」
「ユナン」
「わー!よろしくユナーン!ねえねえその帽子___」
「何しにここに入ってきたの?」
私はシオンの言葉を遮って質問を続けた
シオンはぷーっと不満げに頬を膨らませている
誰とでも仲良くしようとするのはこの子のいい所でも悪い所でもある
怪しい人とでも仲良くするのは流石に危ない
「僕はこの招待状を貰ったからここに来たんだよ。シェアハウス。最近ひとりぼっちの生活が寂しかったからね。」
その男の人が取り出したのは、私やシオンが持っていた招待状と同じような手紙だった
「あ!私達もそれ見てここ来たんだよ!ねえクレア、やっぱりこの人危ない人じゃないって!今から一緒に暮らすんだよ!」
「……」
正直信じていいのかわからない
「そうだ。あなたの髪の色とは違う色の人、もう1人いるでしょう。」
「あぁ、いるよ。でも彼は少し恥ずかしがり屋で…」
「出てきて。窓から覗くなんて怪しすぎる。」
ユナンは困ったように微笑んでいる
「クレア、こわーい」
「シオン…」
「ごめん!ごめんね!怒らないでクレア!」
そんな会話をしている間に、おずおずと窓から入ってきたのは同じく招待状を持った金髪の男の子だった
「わ!もう1人入ってきた!しかも招待状持ってる!この人も一緒に暮らすんだよクレア!きみ、名前は?」
「僕の名は……」
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作者名:碧色と緑茶餅 | 作成日時:2017年7月13日 15時