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24(碧色) ページ47

イーちゃんの家でシャワーを浴びているうちに段々と冷静になってきた。

ナイフは熱くなり、刺す瞬間に肉を焼く形になったので血はあまりついていなかったが、こうして心を癒す時間を作ってもらえたのは少しありがたかった。

ありがとうホープたん……いやマジで……。

だいぶ落ち着いた所でシャワー室から出ると、私の服から血を取り除いて今持ってきてくれたであろうイーちゃんと八合わせた。

「……」

「……」

えっこれどうしよう。私すっぽんぽんだよ……
とりあえず

「いやん!イーちゃんのえっtへぶう!!!」

言い終える前に服を投げつけられて「○□△×!!!」と言葉にならない言葉を浴びせられ逃げられてしまった。

笑いをこらえながら私は服を着替える。

うん、綺麗に血は取り除いてくれたみたい。すごい。

「よしイーちゃん!着替えたよ!帰ろ!」

「はーい!レッツゴーです!」

「れっつらごーごー!」

さっきまでの沈んだ気持ちが嘘のように、冗談かましながらテンションを上げていく。体もどこも痛くない。転んだって骨は折れないだろう。

シェアハウスの扉の前で一旦立ち止まる。

イーちゃんが気遣うような顔でこちらを見ていた。

安心させようと思って私は「お腹空いた」と言う。

イーちゃんは少し笑って扉を開いてくれた。

視線が一気に私達に集まる。イーちゃんは目線で"どうする?"と言っていた。

うーん

とりあえず

「いやん!そんなに見ないでっ!照れちゃうっ!いやんっっ!!」

クッションが顔面にクリーンヒットした。

クレアが投げたようだ。

「何よもう!!散々心配させといて何なの!!そのテンションはいったいなんなの!!??」

激おこプンプン丸なようすだった。どう誤魔化したもんかな。いや、誤魔化す必要はないのかも。何も言わなければ。

ただ、あの人。鋭いあの人だ。ユナンは絶対に話を聞きに来るだろうな。

「クレアたん聴いて!」

「はあ……もう、何?」

「私体丈夫になった!」

「え……?」

その後クレアは泣いて喜んでいた。
"怪我をすれば誰でも痛い。"私が頻繁に痛がっているのを見るのがすごくつらかったんだと泣きながらクレアは言った。

実演で転んだりして見せたらクレアとユナンからダブルパンチを食らった。

はじめての人殺し、とても思い十字架だとは思う。

それを背負った息苦しさより、前々からついていた思い枷が、同罪の罪悪感が無くなったことの開放感の方が今は大きかった。

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作者名:碧色と緑茶餅 | 作成日時:2017年7月13日 15時

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