23(緑茶餅) ページ46
……ディスベアーは一体、この瞬間まで何を思っていたんだろう。
ジュダルは、この光景をみてどう思ったんだろう。
ディスベアーはきっと、悲しんでる。
ジュダルはきっと複雑な気持ちだろう。
じゃあ僕は?僕はどう思ってる?
「…………ディスベアー、話はまた今度。死体の片付けはどうするかはシオンが決めて。後そのまま館に帰ったら絶対に怪しまれるからディスベアーが僕達が住んでいた家に一緒に行ってシャワーを浴びてから血を取ってきて。服についた血はディスベアーが勝手に取るから。それだけは忘れないで。」
そう長々と言い、僕は館に戻る。
___________
館に戻れば不安そうな眼差しをしていたクレアがいた。
その他アラジン、ユナン、ティトスはクレアの周りにいた。
「……クレア」
そう呼び捨てでいい、僕はクレアを抱きしめた。
どうして抱きしめたんだろう。分からない…。
今は人を信じる信じないの問題じゃない。それは分かってる。
「え、あ…ホープ…さん?どうしたんですか?あの?えっ?」
困惑してるクレアが思ってることはすぐに分かった。
「……ちゃんとシオンも帰ってくる。だから安心して。もう、安心……し、て……」
なぜ僕が泣いてるんだろう。
分からない、、分からない、、
「えぇ!?ちょっと…泣き止んでくださいよホープさん…!!」
「………ごめん、なんかもう、ここに来てからずっと不安定なの…もう、治るから気にしないで…」
不安定。そんな単語がくる。
心配そうに僕を皆見るが、今はどうしようもない。
「…わ、わかり、ました……」
そしてユナンさんは口を開く
「…シオンは、どこにいるの?」
「それは答えることは出来ない」
「何故?」
「貴方はシオンを信じてる?信じてるならあの子が帰ってくるのを待ってあげて。それは多分あの子が望んでるかもしれないから。」
そう言い、ユナンさんは静かになる。
「…ごめん、僕多分今日もご飯食べないや」
そう寂しく笑い、館を出た。
出る前にポケットに挟んでた紙切れが落ちる。
内容は「明日はベーコンエッグが食べたい」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:碧色と緑茶餅 | 作成日時:2017年7月13日 15時