19(緑茶餅) ページ38
『そう言えば気になってた事があるんです
どうしていつもボロボロで帰ってくるですか？』
そうやっていつもディスベアーに言われてたな。
そして毎回怒られた。
懐かしいな…そう思いながらそれを考えるのを辞めた。
どうせ今日も僕はボロボロになって帰ってくる。また怒られて傷に薬を塗ってもらってまた一緒に寝る。
お願い、ディスベアーを僕からとらないで。
お願い、ディスベアーとまだもう少しこのままでいさせて。
あぁでもそれは無理か…だっていつかはディスベアーは僕から離れる。
ディスベアーはいつかは僕を飽きる。
「……まだ………このままで……」
僕の寝言は静かに冷たいリビングの中で消えていった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「……ジュダルくん、僕もう寝たいんだけど。」
呆れ半分でそういうけど、当の本人は何故かショックを受けていた様子だった。
「……いいだろ別に。俺は悲しんでるんだよ分かれ」
「そんなの知らないし僕は早く寝たいんだよ。寝させておくれよ」
「チビマギのくせに何言ってんだ」
「僕はアラジンだよ。チビマギって名前じゃない」
「るせぇチビマギ」
「………そう言えばイーさん姉妹(？)とクレさん姉妹(？)は僕達がマギだって事知ってるのかな？」
そう疑問に思った。
「あ〜？知らねぇよそんなの。まぁまずあの生意気な剣闘士は俺らがマギだってことは分かってないだろう。」
「ジュダルくん…ホープおねいさんに何かしたでしょ」
「してねぇよ！心配してやったらなんか威嚇されたんだよ！生意気なんだよまじで！」
「…ふーん、まぁでもホープおねいさんに何かしたら僕が許さないからね」
「お前はどうしてそんなにその剣闘士が気になるんだよ。」
「…そんなの、放っておけないからだよ？それに、おねいさんの事もっと知りたいしね！」
「…ガキのくせに腹立つな…」
「そんな事言っても何も変わらないよ…。早く寝たいからおやすみジュダルくん」
「…ひでぇ」
僕は何も聞いてないふりして眠った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
朝かな？って思ったけど、そうでも無かった。
夜中の何時くらいだろ…分からない…。
僕は目が覚める。
「……まだ日は昇ってないです…」
僕は笛を持って昔吹いていた歌を静かに吹き始めた。
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作者名：碧色と緑茶餅 | 作成日時：2017年7月13日 15時
