17(碧色) ページ33
「何だか玄関の辺りが騒がしいね…」
「きっとホープたん達が帰ってきたんだよ!」
その頃クレアとシオンは寝る準備を始めていた
適当にベッドのある部屋を見繕い各々部屋を選んだ
夕飯の食器などの跡片付けとホープたん達の出迎えは男性2人が請け負ってくれたので(さっさと寝ろと半場追い出された)お言葉に甘えて眠る事にしたのだ
特にクレアはなれない土地にティトスへの照れ隠しと、今日1日でもうクタクタになっていた
「このボリュームで騒いでるくらいだから、元気そうだね。安心した」
「内容がかなり不健康そうではあるけどね!ねーねークレア!今日ティトスと何があったのか教えてよー」
クレアは一瞬顔を顰め、ため息をつくと口を開いた
「今日の昼、2人きりになった時突然ティトスが話し始めたの。知り合いに私に似てる人がいるんだって」
「ふんふん?」
「その人はみんなを守ろうとするあまり、自分を守れなかったらしいの。その人と私を重ねてみてしまうって、私を守りたいって言い出して。だから嫌な気持ちになって」
「へえ〜…」
「だから燃やそうかなって」
「クレアおっかないよ…ハイパークレイジーだよ…」
「…シオンはどう思う?」
「ん?私の?聴いてどうするの」
「参考にするの」
シオンはうーんとしばらく考える素振りをして、にこりと笑いながらこう言った
「クレアが必要以上に私を守ろうとするのはなんで?クレアが私を守ろうとするその理由はきっと、ティトスがクレアを守りたいって思う理由と似てるんだと思う。それだけだよ、私が思ったのは。」
シオンは気になっていたティトスとクレアに何があったのかを聴けて満足したのは"おやすみ!"と言い残しさっさと自分の寝床に引っ込んでしまった
1人になったクレアは少しだけ考える
私がシオンを守る理由はシオンの事が好きだから
それからシオンに負い目を感じているから
ティトスはティトスの知人と私を重ねて見ている
きっとティトスは知人に負い目を感じていて、それを誤魔化すために知人の代わりに私を助けることで、負い目を誤魔化そうとしているのだろう
わざわざ知人本人を助けず、私を助けて誤魔化そうとしているのはきっとその知人がもう存在していないから
『他を守ろうとするばかりに、自分を守れなかった』
きっと、他人を守ろうとしてその人は死んだのだろう
私がシオンを守る理由は、シオンに負い目を感じているから
それから…私はシオンが好きだから
クレアは考える事をやめた
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作者名:碧色と緑茶餅 | 作成日時:2017年7月13日 15時