11(碧色) ページ21
その頃ユナン1行は
「おいお〜い嬢ちゃん、どこ見て歩いてんだ〜？あ〜ん？俺の骨俺ちまったかもしれねえな〜？ん〜？」
典?、型、的、な、当、た、り、屋、に
絡、ま、れ、て、い、た
「はっ……ふふっ……」
シオンは耐えきれないと言うようにぶつかった方の肩を抑え小声で笑っていた。
ユナンは心配そうにそれを眺めている。いざとなったら助けに入るつもりでいるらしい。
「あぁ！？何笑ってんだ〜！？」
「ああいや、ごめんなさい！ふふっ。お金払えばいい？」
「話が分かるじゃねえか！あ、いや。気が変わった！嬢ちゃんよく見りゃ可愛い顔してんじゃねえか！」
「よく見なくても私の顔は可愛いよ？」
自分で言うのか。ユナンは少し笑った。
「え……」
当たり屋も少し引いている。ユナンはさらに笑った。
「……ま、まあ！顔が可愛いからな！しかも女だ！俺と一緒に寝るだけで許してやるよ！」
「ハッ……」
シオンが鼻で笑った。ユナンは少し首をかしげてどうなるのかを見守る。
「私実は男なんだよね」
「は……？？」
屈託のない笑顔でシオンがそんな事を言い放った。
今度こそ当たり屋はドン引きし言葉も出ないといったようすだった。
もちろんそれは嘘なのだが、当たり屋の意欲を削ぐには充分すぎる破壊力を持った言葉だった。
ユナンは耐えきれずに声を殺して腹をかかえて大笑い。
シオンは偽物のお金を当たり屋に渡して楽しいお使いを続行した。
ちなみに偽物のお金の製造は犯罪なので良い子は真似しないでね。
以上、ユナン組の様子でした。
＿＿＿＿
コンコンと、ドアをノックする音が聴こえる。
「ふぇえ〜……石……」
「おい泣くなって。……めんどくせーな！」
「これはどうやって作ったんだ？魔力を込めたのか？それだけでは……」
……。
驚いた事に誰もドアの音に反応しない。
クレアはため息をつきノックされたドアを開けた。
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作者名：碧色と緑茶餅 | 作成日時：2017年7月13日 15時
