8(碧色) ページ15
そんなこんなでシオンはホープたんと青い子……アラジンくんを置いて他の全員で地下へ向かった。
ホープたんは体調不良だからベッドに縛り付けてでも休ませる!とシオンは言い
縛り付けられるのまじしんどいとホープたんは大人しく寝ている事にしたようだ。
アラジンくんはおねえさんが心配だよ!と看病のためにあちらに残っている。
「ところでシオンちゃん、どうして包を探すって言い出したんだい?」
ユナンが唐突に口を開いた。それは私も気になっていた。
「うーん?地下って薄暗くてじめっとしてて、なんだか楽しそうじゃん!だから!」
……。
私は何も聞かなかった事にした。
地下につくとそこは薄暗くとても視界が悪かった。その癖足元の物は多い。
「シオン、転ばないように…」
「クレア過保護ー」
「……」
「冗談だってば!怒んないでよ!」
「あの!」
私とシオンがくだらない会話をしていると、突然ディスベアーちゃんが口を開いた。
「私、先に行って探してくるです!」
そう言うとディスベアーちゃんは私達の返事も聞かずに1人で走り出してしまった。
おうおうなんて行動力のある子なんだ……。
「あ、イーちゃんが行っちゃった……。危なそうだしブラックくん追いかけてあげなよ。」
「イーちゃん?なんで俺なんだよ、他にもっといるだろ。あと俺はジュダルだ。」
……イーちゃんっていうのは多分ディスベアーちゃんの事だ。シオンは不思議なあだ名を付けるのが大好きらしい。
「えー、ブラックくんこの中で一番強そうだし!ほら行きなよ!早く!」
「あーもうわかった!わかったから蹴るな!ったく……はあ……」
心底ウンザリとした様子でジュダルくんはディスベアーちゃんを追いかけ始める。
可哀想に……。
「僕達はゆっくり進もうか」
ユナンがそう笑った。ティトスもそれに頷き光魔法の呪文で視界を照らし、私達は包が落ちていないか見ながら歩いて進んで行った。
シオンが退屈して、途中で変な事やらかさないかだけが心配だった。
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作者名:碧色と緑茶餅 | 作成日時:2017年7月13日 15時