【NARUTO】短編集 (ページ8)

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【はたけカカシ】何があっても（中編）ページ8

「俺ってそんなに頼りないかねぇ…。」

『えっ…？』

想像していなかった一言に、思わず声を漏らすA。
それに反し、カカシは至って真面目な表情をしていた。

「俺ね、こう見えても立派な大人の男なんだけど。」

『そんなの知ってますよ。』

「それと一応…忍なんだけど。」

『それも知ってます。』

「なら何で一言相談してくれなかったの？」

『それはっ…！』

「相手も忍…だから？」

『っ…。』

やっぱりね、とため息をつくカカシ。
相手は粗方予測が付いていた。
しかし、何故自分に一言も無かったのか理解出来なかった。

「自分で言うのもアレだけど…結構強いんだよ？俺。」

『それも…知ってます…。』

「なら何で…。」

『…自分で…解決したかったんです。』

「相手が忍なのに？」

『…そう言ったら、笑いますか？』

真っ直ぐに見つめ返してくるA。
その瞳にカカシは言葉を詰まらせた。
無謀と解っていながら、尚も挑もうとする強い意志。
その意志がハッキリと彼女の瞳に映し出されていたのだ。

『でも…駄目でしたね。結局こうやってバレちゃってるんですし。』

「まぁ…ね。」

『どこまでご存じなんです…？』

「なーんにも。ま、相手は検討付いてるけど。」

『なら…何もしないでもらえますか？』

カカシは一瞬迷った。
だがそれと同時に、彼女の意志に…あの瞳に賭けてみたくもなった。

「…解った。」

『っ…！あ、有難う御座います！』

「ただし、これ以上は危険だと判断した場合は容赦なく止めに入るからね？」

『…はい。』

-

「こうして、彼女は無事危機を乗り越えましたとさ。」

「めでたしめでたし…じゃないわよ！！」

「何でよ。」

「だって先生…まだ告白すらしてないじゃない！！」

あれからもう数年経ったが、Aとの関係は変わらずにいた。
寧ろ、カカシが火影に就任して以降は二人の距離は更に広がっていった。

「で？最近あったのはいつ？」

「んーそうだなぁ…７月、とか？」

「ってそれ５か月も前じゃない！！」

「そう言われてもねぇ…色々とあるんだよ俺にも。」

本当ならあの時に全部打ち明けてしまいたかった。
けれど…カカシにも考えがあったのだ。

「ま、その内顔出しに行くよ。」

「その内って…そんな余裕あるんですか？」

「…。」

「このままじゃAさん…他の人の所に行っちゃいますよ？！」

「そうだねぇ…。」

「そうだねって…もう先生なんて知らない！！」

「…はぁ。」