幕間 ページ40
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――時間軸:回復訓練の合間
「Aは凄いな」
『?何が?』
「怪我の治療からご飯を作ったりもするなんて…何でも出来るんだな!」
回復訓練も終わり、各々の時間になった頃、炭治郎にそう言われた。
『何でも出来るっていうか…ここに居ると自然と覚えるっていうか…』
「成程…。でも俺には出来ないことだから、やっぱり凄いと思うよ」
『(炭治郎はほんっっとに天然人たらしだよなぁ…)』
なんてぼんやりと思っていると、あー!と聞こえてくる大きな声。
「おい炭治郎テメェ!誰に許可得てAちゃんとイチャイチャしてんだよ!」
「うわあ!善逸!?」
『別に許可なんて要らないでしょ。あ、善逸も食べる?お腹空いたでしょ』
「え!食べる!」
どうぞ、と訓練の差し入れの残りを出し、善逸が食べようとすると、ヒョイと隣から手が伸び、それはなくなる。
「な…!?」
「てめえがグダグダやってっからだろ」
「おいコラてめえ猪野郎!返しやがれAちゃんの愛が篭った料理!!」
「ハンッ!知るかよ!もぐもぐ…」
「あ…ああ…!!」
喚く善逸に相変わらず自由な伊之助。そしてそれを宥める炭治郎。
…あぁ、本当に…。
『(こんな…穏やかな日々が続けばいいのに…)』
「そう言えばA」
『ん?』
「ここに来てから、よく髪を結っているよな」
『そうだね…って、よく気づくねほんと…』
基本的に下ろしている髪の毛。気分で括ったりもしていたけど、ここ最近は専ら髪を括っていた。
…と、言うのも…
『実はこのリボン貰い物でさ、付けてる方が安心するんだよね』
「えっ、何それ、誰から貰ったの!?Aちゃん恋人いるの!?」
『いないよ。同期で同じ柱の子に貰ったの。戦闘中切れたら嫌だから仕舞ってたんだけど、何となく使いたくなってね』
「へぇ…」
と、縁側から今日は任務だという彼を思い浮かべていると、オイ!と声を掛けられる。
「おかわりねえのか?」
『あ、あるよ。台所だから伊之助一緒に来てよ』
「チッ…仕方ねーな」
『ふふっ、ありがとう』
「ズリぃ!お前とAちゃんを二人きりにさせて堪るか!またいつ襲うかわかんねーしな!」
『ちょっと善逸、それ掘り返さないでよ!善逸の分だけあげないよ?』
「え!ダメ!絶対!それは!」
「…ああ、厠行った時か」
『伊之助、ちょっと黙って』
永遠はないと知っているけど、こんな時間が、日常が、永遠に続けばいいと、私は心の底から思った。
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月花 - 善逸との絡み入れて欲しいです (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 大正コソコソ話!夢主は鬼殺隊に入り始めた頃任務がキツくて来世は隠に入ろっかなと思ったらしいよ (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 星廻さん» コメントありがとうございます!!(*´-`*) シンプル!笑 嬉しいです(*´`) (2019年10月19日 0時) (レス) id: 3900fac987 (このIDを非表示/違反報告)
星廻 - すきです! (2019年10月18日 23時) (レス) id: 345c689636 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 廻那さん» コメントありがとうございます!!更新頑張っていきます!(*^^*)ああああ、ご指摘ありがとうございます( ; ; )すみません( ; ; )すぐ訂正します( ; ; ) (2019年8月10日 1時) (レス) id: 81b06921bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年7月13日 18時