第86話 ページ44
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遠くで、炭治郎の声が聞こえる。
叫んじゃダメだよ、炭治郎。お腹刺されてるでしょ？傷が開いちゃうよ、折角呼吸で止血したのに。
「A！」
煉獄さんの声も聞こえる。ああ、生きてる、煉獄さん、生きてるんだ。
よかった、でも、貴方の目と身体は守れなかった。刀も、私のも煉獄さんのも、刃の部分は折られて、柄と鍔しか残ってないっけ。
…でも、彼は…
『いきてる…』
「A!!!!」
ゆっくり瞼を開け、左手で煉獄さんの頬に触れた。
『よ、かっ…れん、ごくさ……』
「喋るな！今すぐ治療を…！」
動こうとする煉獄さんも、ふらり、と身体が傾くが、なんとか持ち堪えた。
『…れんごくさん……』
「頼む、喋るな…また血を吐く…！」
『目…ごめん…なさい……』
「いい！俺の目なんて心配するな！」
『ない、ぞうも…そんしょう…して……』
「俺のことはいい!!Aは自分の心配をしろ!!!!」
泣きそうな声で私に言う煉獄さん。
すると、炭治郎や伊之助の声も近くなってきた。
「A！しっかりしろ！すぐ止血する！」
「おい！死ぬな！寝るな！ずっと目ぇ開けてろ!!」
『…はは……むちゃ…言わないで…』
「うるせえ！おい！お前！俺との"約束"守ってねえだろ！帰ったら針千本飲ませるからな!!」
『それ…死ぬじゃんか……』
ふっ、と笑えば、込み上げてくる鉄の味。
ごふっ、と血を吐き出せば、A！と叫ぶ煉獄さん。
「もう喋るな、本当に死んでしまう」
『…れんごくさん…わたし…みんなに…あえて……よかった…』
「やめろ…」
私を抱きしめる煉獄さんの温もりは、すごく温かくて。
昇り始めた朝日も、私たちを包むようだった。
『たんじろ…いのすけ……わたし…5人で…いれたの…嬉しかった……』
「A…！」
『あのね…みんなに…伝えて……』
「自分で伝えろ！A！生きろ！」
『だいすき……ありがとう……』
「Aーー!!!!」
＊ ＊ ＊
細々とした声で、だいすき、ありがとう。と言ったきり、目を開けないA。
「なぜ…なぜ君は…！」
自分の腕の中で眠る彼女は相変わらず綺麗な顔をしている。
「A…！」
「おい、ふざけんなよA…起きろよ…なぁ…なァ!!」
「伊之助…！」
ぎゅっと彼女を抱きしめた時、強い風が吹いた。
すると、
「えっ…？」
腕に抱いていたはずの彼女は消え、残ったのは彼女の羽織と刀だけだった。
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たくあん(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます！！柱なので頑張ってもらっちゃいました！！！((笑 ありがとうございます（ ; ; ）頑張ります（ ; ; ） (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 0c6fafeba7 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 夢主ちゃん、下弦とのエンカウント率高www((更新頑張ってください！！ (2019年12月22日 16時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ふらんさん» コメントありがとうございます！！ご期待に添える展開に持っていけるか不安ですが、更新頑張っていきます！！ありがとうございます（ ; ; ） (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ピースサインさん» コメントありがとうございます！！面白いって言って頂けて本当に嬉しいです（ ; ; ）更新頑張ります！ (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 葵咲さん» コメントありがとうございます！（ ; ; ）うおお…う、嬉しい…！（ ; ; ）更新頑張ります！（ ; ; ） (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たくあん | 作成日時：2019年6月25日 1時
