授業です2 ページ12
side治
「ほな行こか。」
侑と別れて、シロを連れて教室へ向かう。ちなみにシロは俺の肩に乗って楽しそうに尻尾を揺らしている。
”楽しいか?”
”うん!治と一緒に居れるの嬉しい!”
こんなん可愛すぎやろ。シロはユキに比べて表情には出づらいけど、その分言葉が素直や。ま、それも可愛ええんやけどな。
教室に入ると角名が居った。
「遅かったじゃん。真っ先に部室でたのに。」
「まあな。色々あんねん。」
「ふうん。ま、いいけど。」
角名のこういうところは楽でええ。やけど、なんかあったら確実にバレるな。気を付けよ。
「(あ、シロどうしよ。)」
さすがにこのままじゃあかんやろ。俺は別に構わんけど。
”シロ、そのまま肩に居る?それとも膝に来る?”
”お膝行く!”
俺が聞けばすぐに答えが返ってきてシロが膝に乗る。よほど嬉しいのかそわそわしとるし、尻尾が揺れとる。
”膝に乗るの嬉しい?”
”うん。治にぎゅーってしてもらえる。”
こんなん抱きしめんわけにはいかんやん?これで冷たい態度とるやつおったら俺がしばき倒す。
”じゃあ今日はぎゅーしながら授業受けよか。”
”うん!”
そういやツムは大丈夫やろか。あいついつも授業中寝とるからな。ユキのこと潰してへんやろな。
俺?俺はまじめやからな。ちゃんと起きて飯のこと考えとるで。
”治、治。大人の人間入ってきた。”
どうでもいい片割れのことを考えとったら先生が来たらしい。てか、シロあったかいんやけど。子供体温ってやつか?あれ?狐にも子供体温ってあるんか?まあええか。あったかいわぁ。
”シロあったかいなぁ。”
”んふふ、治もあったかーい。”
シロが俺の胸に頭をすり寄せてくる。小さいなぁ。まだ子供やもんな。こんな小さい体で頑張ってきたんやな。今朝聞いたこの子達の生い立ちを思い出し、知らずにシロを抱きしめる腕に力が入った。
”治?”
シロが不思議そうな顔でこちらを見てくる。周りにバレないようにそっと頭を撫でてやると、気持ちよさそうに目を閉じた。俺たちで少しでもこの子らに幸せを与えてやれたらええな。またツムとも話してみるか。その日1日はシロを抱きしめながら過ごした。
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真柴白 - どうして、終わり何ですか?続き気になります!!更新待ってます!!頑張って下さい!! (2021年1月14日 3時) (レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
りぼん(プロフ) - とっても続きが気になります‥‥‥…!!!更新頑張って下さい!!!! (2020年6月22日 11時) (レス) id: 597f7a3cde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨星 | 作成日時:2020年6月13日 22時