221 ガラガラ。 ページ21
「君の剣は空だけど、魔力を憑依させやすい器になった。特に気と水の属性と相性がいい。存分に力を発揮できるだろう」
その説明を黙って聞いていたシュラだったが、ニコニコと笑っているライトニングを見、寒そうにくしゃみなどするAを見て、「……で?」と言った。
「え?」
「……結局アタシが頑張んのかよ!!」
ライトニングはとぼけた顔のまま、「後方支援は任せて〜」とゆるいまま手を振る。
「っ、シュラ、俺も……」
「あー、君はここにいなよ。あれは彼女だけで大丈夫」
「っ、ライトニングさん」
「いいから。その鎌もしまっておいていいよ」
身軽なシュラが素早く動く。たたん、たん、と小気味よい音を響かせながら、あっという間にサイクロプスよりも高い所へと跳んだ。
それと同時に見開かれる、サイクロプスの目。
「っ……ライトニング!!」
「特攻!」
シュラの声を受けてすぐさま、ライトニングがジャックフロストたちに命じた。ゴッ、と凄い音を立てながら、ジャックフロストたちは文字どおり、サイクロプスに特攻していく。
ジャックフロストたちのおかげで、サイクロプスの大きな目は閉じられた。
その隙に、シュラは言い慣れていた、最近はあまり言わなくなった技名を叫ぶべく、刀を引いた。
「霧隠流魔剣技……っ!」
重力に任せて体が落ちる。シュラの全体重と力を上乗せした技が、上を向いたサイクロプスの目に命中した。
「虚 々 !!」
サイクロプスの目は潰れた。
「やった!!」
Aは思わず叫んでいた。空中で体制を立て直し、華麗に着地したシュラに、2、3歩近づく。
どぉん、派手な音を立てて倒れたサイクロプスを見て、ライトニングが顔をほころばせた。ヘラヘラとした笑顔に変わりはないが、どことなく安心、達成感、そんなようなものが滲んでいる。
「さすが霧隠隊長……!」
「ほんとに流石だよシュラ! マジ今回何にもできなくてごめんな!」
威勢よく謝りながら、Aはまたシュラに2、3近づいた。
「ほんっとーだよ! お前も手伝えよA! 疲れ……っ、っ?」
「っ!?」
シュラが途中で言葉を切った。
ライトニングも、いつものヘラヘラ笑いはどこへやら、目を見開いてAを凝視する。
思わずびっくりして、Aはシュラとライトニング、二人を交互に見た。それから、どうしたのか聞こうとしたところで__。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2020年12月10日 3時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオ | 作成日時:2017年12月5日 22時