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『…やっぱ誰も来てないよね』
坂田と昨日、キスしてしまった。
幼馴染の触れ合いなんて、そんなもの過激すぎる。
もしかしたら、あれはキスじゃないかも。なんて思ったけど、正真正銘のキスで。
顔をどうしても見ることができなくて、朝早く登校してきてしまったが、教室には人ひとりいなく、もう少し遅くてもよかったかなぁ。なんて
誰もいない教室に椅子を引く音が響き、腰を下ろすと、ガラガラと教室の扉が少し乱暴に開かれた
セ「おっ、来てたんや。」
『おはようございます。』
セ「おはよー」
グーッと伸びをしてから、黒板の日付を書き換えた先生は、出ていくのかと思いきや、私の横の席に座った。
『なんですか…』
セ「昨日、坂田とキスしてたやろ」
『…なっ!!!なんでそれを…』
ニヤリと意地悪な顔で教えてほしい?なんていう先生に、コクコクと首がはずれるんじゃないか。というほど、上下に首をふる
セ「たまたま坂田の家に用事があったんよ。」
『坂田の家に…用事？』
セ「あれ？聞いてへん？なんや。幼馴染やから聞いてると思っとったわ。」
学校で済ませられない、親を含めなければ解決しない用事。
『あいつ…。私には頼ってって言ったくせに…。』
そんな坂田に苛立っていると、ふにゃと唇を親指でなぞられる。
大きい指。
ふわりと香ってくる香水の香りはセンラ先生のもので。
ゆっくりとなぞられると、くすぐったくて、声が漏れる
セ「この唇も奪われたんやって思うとムカつくなぁ…」
『センラ…先生？』
そう先生の名前を呼ぶと、ハッとした顔をして焦ったように席を立った。
そして、いつものように陽気に微笑んで、なんもない。なんて。
何もないわけないじゃないか。
立ちさろうとする先生の腕を掴むと、なに？と振り返らずに呟いた。
『…なにかあるなら言ってください。』
セ「んーん、なんもないよ。ごめんな」
『言ってくれないと先生の授業だけサボります』
セ「それは困るなぁ」
そう言いながら、振り返える先生に、どうしたんですか？と聞けば、…はぁとため息をついてから、少し深刻そうな顔をして口を開いた。
「でさー」
「えー、まじ！？」
先生の言葉を遮るように聞こえてきた女子生徒のはしゃぐ声。
先生は、いたずらっぽくふわりと微笑んで、やっぱなんもない。と教室から出ていってしまった。
教室にはほんのり香水の香りだけが残っていた。
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タシア松(プロフ) - ぽにょさん» ありがとうございます！！最高の褒め言葉です、 (2022年9月25日 20時) (
レス) id: d89a5c0024 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょ - 1話1話見るごとにきゅんきゅんしてもう最高です_:(´ཀ`」 ∠): (2022年8月8日 18時) (レス) @page14 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます！すごい嬉しいです！！！ありがとうございます！！この作品を好きだと感じてもらえることができてよかったです！ (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - な、な、な、なんだこの……神作者と神作品は！？ (2021年10月26日 2時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乘肄さん» 最高のお言葉ありがとうございます!! 完璧にかけたのなら幸いです、これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします (2020年5月19日 22時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タシア松 | 作成日時：2020年1月12日 23時
