なな ページ8
約束通りパンケーキやさんへと足を運んだ私達は1時間という驚異的な時間待たされ、やっとのことで椅子に座ることができた。
店内も周りの人が食べているパンケーキも綺麗でおいしそうで。自分がすごいおしゃれな人なんじゃないかって勘違いするほどだった。
メニューを開いた瞬間に入ってきた、ホイップたっぷりのいちごのパンケーキに一目惚れしてしまった私はほぼ即決。
うらたは。というと、これも美味しそう、こっちも美味しそう。などと彼特有の優柔不断を全力で発揮していて、懐かしさをふと感じる。
こういうとき、いつも最終的には私に聞いてきて、なんで私に聞くの?と聞けば、Aが決めたやつ食べたいから!なんて、可愛げのある答えが返ってきていた。
う「A!どっちがいい?」
うらたは何も変わっていない。
優柔不断なところも優しいところも少し考えがぶっ飛んでいるところも。そして、この無邪気な笑顔も。
昔のままだった。
『私はこっちほうが好きだなー』
う「じゃ、こっちにしよ」
よしっ、なんて頷きながら注文を済ます彼を見ていると、バチリと目が合う。
優しくて悩み事なんて一瞬で吹き飛ばしてしまうような彼の笑顔は
_____私の大好きな笑顔だった
う「Aって変わってないよな」
『うらたこそ。お互い何も変わってない、変わってることと言えば…身長…とか?』
う「俺、お前より身長高くなっただろ!」
『んーーー、どうかなぁ』
う「はぁ!?前はお前より低かったから!」
そっかそっか。と軽く流せば、今ならお前のこと見下ろせるんだからな?なんて少し意地悪な笑みを浮かべた。
突然、ハッと何かを思い出したような顔をした彼はかばんからある1つのものを取り出して、私に差し出す。
彼が掴んでいたのは、落としたと思っていた手帳だった。
う「これ、この前拾ったから」
『ありがと!なくしたと思ってたのー。』
う「………………その、お前写真いれてんだな…、」
『あっ、うん!この写真好きなんだ』
私達が出会いたての頃、初めて公園で撮った写真。幼くて私の後ろに隠れるようにして映る彼の姿は可愛いの何者でもなくて。
今撮ったら、絶対こんな写真にはならないのだろうけど。
う「それ見たら、お前すっげえ可愛くなったな」
ニカッと太陽のように笑う彼は昔とは違う。
カッコよくて、自信に満ち溢れていた
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タシア松(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございますー!その後の話ですか、考えたことあまりなかったです。もしいい話が思いついたらその後の話を書こうと思います!わざわざコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします (2022年1月7日 0時) (レス) id: b0276be98a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年12月20日 22時) (レス) @page21 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乃々夏さん» 私も少し寂しい気持ちもあります、、。応援ありがとうございます!! (2020年9月30日 23時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - タシア松さん» なんか…寂しいwwwwこれからも、応援してます!!!! (2020年9月30日 20時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乃々夏さん» 乃々夏さん!コメントなど本当にありがとうございます、、!楽しんでもらえたなら何よりです。ありがとうございます (2020年9月30日 7時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=5ee9fa7f2a7bd06bef7dcb77652f9a37...
作成日時:2020年4月11日 21時