よん ページ4
う「おい、A。コイツ誰」
まるで威嚇する動物のように伊藤さんを睨むうらたに、落ち着いて。と言いかけても、聞く耳を持とうとしない。
伊藤「…あ、あの」
『うらた。今日は帰ってくれないかな』
う「は?なんで俺が」
『お願い。私この人と用事あるから』
う「………チッ、わーったよ。じゃあな」
不機嫌なオーラを全体に出しながら帰っていくうらたを見送って、伊藤さんを家に上げると、なんかごめんね。なんて謝られてしまった。
『い、いや!私の方こそごめんなさい!!』
伊藤「彼氏さん?なら、勘違いされちゃったかな」
『ほんっと!そういうのじゃないんで!!!』
バッと勢いで、机に手をついて身を乗り出しながらそう言うと、ふわりと微笑んで、よかった。と言う彼にドキリと心臓跳ねた。
そんな幸せの時間も束の間、プルルルルとスマホが鳴り、画面を見ると非通知電話。
彼に一言断りを入れて電話に出ると、おい。から始まるうらたの声に思わず、うわ、と声が漏れた。
う「うわってなんだよ」
『切るね』
う「は!?ちょ、おい!待てって!」
『…なに』
う「さっきの人…誰かなあって…」
『もう切るからね、じゃあね』
無理やり通話を終了させて電源を切る
大丈夫?と伊藤さんに聞かれたけど、なんでもない顔で流した。
.
Urt Side
う「…あぁ、もう、出ねえし。」
Aの家に手帳を返しに行ったのに、無理矢理家に返されるし、電話にも出ねえし。
それに、あの男。どっかで見たことたんだよなあ
う「…はあ」
確かに、彼氏がいるかもしれないし結婚しているかも。とも思ったけど、正直なところ、あいつに…と思っていたから、少し驚いた。
あいつを分かってあげられるのは、昔からいる俺だけだし、あんなやつに渡すか。とイライラして家につくなり、お茶を一気飲みする。
ずっと好きだった。Aのそばにいたら嫉妬で狂いそうだったから距離をおいたのに、その間に彼氏みてえなやつができてるなんて。
う「お前の隣にいていいのは…俺だけだよな。」
返すことができなかった手帳を見つめながら、やまだぬきのぬいぐるみを力強く抱きしめる。
こんなことになるなら、距離なんて置かなければよかった。なんて今更後悔しても遅いのに、ただ永遠と昔の自分を恨んだ。
う「俺を一人にしないで」
小さく呟いた声は、インターホンによってかき消された。
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タシア松(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございますー!その後の話ですか、考えたことあまりなかったです。もしいい話が思いついたらその後の話を書こうと思います!わざわざコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします (2022年1月7日 0時) (レス) id: b0276be98a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年12月20日 22時) (レス) @page21 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乃々夏さん» 私も少し寂しい気持ちもあります、、。応援ありがとうございます!! (2020年9月30日 23時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - タシア松さん» なんか…寂しいwwwwこれからも、応援してます!!!! (2020年9月30日 20時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乃々夏さん» 乃々夏さん!コメントなど本当にありがとうございます、、!楽しんでもらえたなら何よりです。ありがとうございます (2020年9月30日 7時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=5ee9fa7f2a7bd06bef7dcb77652f9a37...
作成日時:2020年4月11日 21時