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う「なるほどなぁ」
さ「1つ聞くんやけど、Aちゃんはセンラのこと好きなん?」
『うぇ!?…でも、まだ出会って1日だし…。多分好きじゃない。』
さ「ならよかった!」
坂田くんが私のことを気に入ってくれていることは、なんとなく分かる。
私もそこまで鈍感なわけではないし、だからといって、気づかないふりをするというのも違う気がする。
まず、センラさんのことを好きっていうことに関しては、多分好きじゃない。
ただ気に入ってるだけ。この感情は、恋ではないはず。
だって、まだ出会ってたったの1日だし。
し「まぁ、俺から言えるのは、さとちゃんとは付き合うなってことだけかな」
う「俺もそう思う。だって、嫌がらせしかやんねぇじゃん」
さ「とりあえず、センラとさとちゃんのことは、放っておいたら?
センラも嫌なんやったらいつか助け求めてくるはずやし。そういうとこ、あいつハッキリしてるもん」
『うん、分かった。』
モヤモヤと霧がかかったように気持ちが晴れない。
放っておくことに意味のない不安を覚えた。
例えるならば、一人でどこか遠くへ旅に出る気持ち。
う「不服そうだな」
『…そんなことないよ』
う「そ…?ならいいけど。」
さ「まぁそんなことは気にせんとさ!今日は楽しもうや!」
し「そやな、うらたさんの家でお泊りなんて早々できることじゃないしな」
『そうなの?』
う「うん、めんどくせぇし」
面倒くさいのに、お泊りを開いてくれるところに彼なりの優しさを感じる。
私を励ますためなのか、はたまた自分が楽しみたいだけなのか。どっちでもいいけど、今の私にとっては、気を紛らわしてくれる彼らがすごくありがたかった。
う「とりあえず、気分転換に風呂はいるか」
さ「みんなで?」
う「んなわけねぇだろ!!」
りんごみたいな真っ赤な顔になって、そう否定する彼が初々しくて、つい、ふふっと笑ってしまうと、笑うなよ、とか言いながら、わしゃわしゃと頭を撫でてくる。
兄妹のようなそんな会話。
ほっこりして心がぽかぽかして、なんだか言葉では表すことのできないどこかが凄く満たされた気がした。
し「元気でたみたいやな」
『うん、ありがと。』
ニコッと優しく微笑んでギュッと隠すように繋がれた手。思わず顔を見ると、人差し指を唇に当てて、パチンとウインクが飛んでくる。
し「坂田に知られたらあかんから。秘密な…?」
その言葉にコクっと頷いた。
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タシア松(プロフ) - 紫苑さん» こちらにもコメントしていただいてホントに感謝しかないです、、。ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - ドソキでツボっちゃいましたWとても面白かったです!これからも面白い作品待ってます! (2021年10月26日 1時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - ちょこまみれさん» ありがとうございます! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこまみれ(プロフ) - 素敵です (2021年1月24日 13時) (レス) id: 53f0e78d36 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - さとうさんさん» ハラハラできるようにかけていたなら良かったです…。少し自信がなかったので、。嬉しい褒め言葉本当にありがとうございます!これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作成日時:2019年12月21日 19時