*.lost memories.* ページ21
○ A.side*
2週間後*
「……やって来ましたっ、他校の文化祭!!」
片手を拳にして、グッと突き上げて通行の邪魔になっている紫月。
ただ、今はそれに対して突っ込む人はいない。
「彩ちゃん、すっごく可愛い!!」
恋花ちゃんの言葉に、ため息を吐く私。
……実は、この浜田に来る前に化粧室へと連れて行かれて、メイクや目の下にラインストーンとかを幾つか付けられた。
髪型もポニーテールにされたし。
それに、服装も指定された。
なるべくストリート系寄りでって言われて、ストリート系って何?!って事態に陥った。
瑞紀や不良くんにアドバイスもらって、なんとかなったけど。
ダボっとした大きめの英文字が入った黒スウェットに、肩を落として羽織った背中が大きく開いてるデニムジャケット。
下は白のラインが入った黒のトラックパンツに白の厚底シューズ。
そして、耳にはイヤーカフ、首にはネックレスが。
不良くんと美織は、一度学院に行って楽器や道具を取って来てるから、あともう少ししたら来るはず。
……ちなみに、アコースティックギターは私の背中に背負ってる。
数分2人と一緒に談笑していると。
「みんな〜! 遅くなってごめん!!」
はぁ、はぁと息を切らしながら美織が駆け寄って来た。
その後ろからは、両手一杯に荷物を持った不良くんが。
……と、何故かサッと紫月と恋花ちゃんが私の前に出て、まるで私を遮るみたいに立った。
不思議に思っていると、不良くんの声が聞こえる。
「……おい、もうすぐ10時だけど大丈夫なのか?」
「えっ、うそ?! 急がなきゃっ……と、その前に」
紫月がそう言ってから、私の後ろに回って背中を押した。
「じゃっ、じゃーん!! どうですか、ひろっち!私と恋花の力作!」
いや、人とのことを力作て……。
思わずげんなりしながら不良くんを見上げると。
「……? きみ、どうしたの?」
何故か、ポカンと放心状態。
「……! あ、いや。ってか、早く行くぞ。準備とかいろいろあるんだし」
慌てた様子で体育館に入る不良くん。
そんな彼を、ニヤニヤした顔で見つめる軽音部員。
「あれは照れてたね」
「完っ璧に言い逃れできないくらいに」
……えっ、あの反応照れてたの?
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未麗 - 不良君とアーヤの組み合わせが最高でした!!これからもがんばってください!応援してます!! (2022年9月3日 8時) (レス) @page46 id: c3880015a9 (このIDを非表示/違反報告)
阿修羅 - アーヤがクールな感じでいい (2022年1月10日 10時) (レス) @page7 id: 4820c0c437 (このIDを非表示/違反報告)
柚須 - Clock lock Works という歌みたいですね! (2021年5月7日 15時) (レス) id: 8119590feb (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - アオさん» ありがとうございます!^_^ (2020年7月25日 14時) (レス) id: e765e8c7f7 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - 最高でした! (2020年7月21日 1時) (レス) id: 0202dd951f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天奏 | 作成日時:2020年4月13日 19時